第5回想いを伝えるカード大賞
3月11日(中学を卒業した日)あの日から今堀江 由佳 さん
届けたいメッセージ
中学1・3年でお世話になった担任の先生に、昨年大学に入学したことを伝えることができていないので、近況も含めて報告しようと思いました。中学卒業の日に先生が流してくださった英語の曲が今でも心に深く残っており、「あの日のことを懐かしんでもらえたら」「アンサーソングを贈りたい」という気持ちで、レコードとレコードプレイヤーの形にしています。先生が背中を押してくださったおかげで、夢に向かって頑張れています。
選考理由
〇 澤田智洋
中学校のときに先生から教えてもらった曲への「アンサーソング」としての、レコードプレーヤーカード。この企画の太さが素晴らしいのは勿論のこと、デザインも重厚感があり、まるで本物のプレーヤーのような存在感を放っています。先生への強い感謝の想いが伝わってきます。なんだか僕が泣きそうになりました。
〇 前田高志
当時の情景が浮かんでくるストーリー、それをもとにしたこれしかないというコンセプト設計、メッセージを贈りたい人への気持ちが表れたデザインが秀逸でした。そして、造形センスに魅力を感じました。きっちり定規で作っていたら、雰囲気も味も別なものになっていたでしょう。この制作者の方のイラストも見てみたいなと思いました。
〇 関本明子
大賞おめでとうございます。中学生時代のエピソードに答える形で作られているのですが、その思い出が美しく伝わってくるような、非常に丁寧な制作に心打たれました。カードを開けてから、一番最後に行き着く、レコード面にメッセージが書かれているのも、どこにメッセージが書いているのかと探すワクワク感も演出されており、またカードを広げていく時間軸も楽しめる作りに感動しました。
澤田 智洋 賞(審査員賞)
命日(4月7日)晴れた日の洗濯物松野 裕里香 さん
届けたいメッセージ
コロナ禍で家にいることが増え一緒に暮らしていた祖母と過ごした日々を思い出しました。
またお話をしたい、洗濯物のコツなどを教わりたい、なかなか言葉にできなかった感謝の気持ちを伝えたいと思いこのカードを作成しました。
選考理由
洗濯という、おばあちゃんが好きだったシーンがカードになっている意外性。干してある洋服一枚一枚が、便箋になっている遊び心。なにより松野さんが授賞式で口にした「風にのっておばあちゃんにメッセージが届くイメージで作りました」という想い。すべてに胸打たれました。
前田 高志 賞(審査員賞)
勤労感謝の日(11月23日)健康第一高橋 穂乃佳 さん
届けたいメッセージ
いつも仕事を頑張ってくれている父の為にこのカードを制作しました。
父はあまり健康ではないので、心も身体も健康でいてほしいと願っていることを伝えたいです。
選考理由
直球。そして、豪速球で伝わるアプローチであること。そして、誰でも伝わるデザインである「おくすり袋」のモチーフを選んでいる。「伝わる」はグラフィックデザインとして優れています。私の想像ですが、ストレートに想いを伝えるのが苦手でシャイなのかな? と制作者の人間性も感じられて好きです。本物の「おくすり袋」を観察し研究したと思われる。クオリティの高さにおいても評価させていただきました。
関本 明子 賞(審査員賞)
12月20日誕生日の父へ大野 紗和 さん
届けたいメッセージ
今年で50歳になる父へ、これを機にお祝いの言葉や日頃の感謝などを届けたいです。
父はゴルフが大好きなのでゴルフバッグに想いを詰めました。
選考理由
お父さんへのカードということで、ゴルフバッグが封筒、クラブがカードというアイデアに、とても魅力を感じました。
メッセージを書いた紙を折り畳んで細長いクラブにしているのですが、スペースがあるところにメッセージを書くのではなく、大好きなお父さんが、実際にゴルフをする際に、バッグからクラブを出し、ゴルフを楽しんでいるところを、イメージしながら作られたのではないかなとワクワクさせられました。
日本交通賞(協賛企業賞)
敬老の日(9月19日)離れた場所からありがとう柚江 佳奈 さん
届けたいメッセージ
離れて住んでいる花が好きな祖母へ、感謝や、会えないぶん体を心配している気持ちを伝える日に送りたいカードを制作しました。メッセージは花弁にあります。また、付属した二枚重ねのシートは、組み立てることで花瓶にすることも可能です。送った花をいつでも見返してもらえる形を目指しました。
選考理由
〇 日本交通株式会社 ハイヤー部 マーケティング担当 倉井 洋望
弊社は移動サービスを通じて、出会いの機会を創造し、豊かな社会を実現したいと考えています。
コロナ禍で、人と人とがなかなか会えないことが続きました。「会えないことへの思い」「会うことの意義」を感じられるかを軸に選考させていただきました。
その点本作品は、
・ご祖母様の好きな花がモチーフ。
・部屋に飾りやすく、生活に溶け込みやすい。
・見る(見える)度に柚江さんのことを思い出せる。
開封した瞬間だけではなく、長く「会えない思い」を感じることができる点を評価させていただきました。
KOSE 賞(協賛企業賞)
2020年12月24日みんなのクリスマスカード福永 純子 さん
届けたいメッセージ
毎年熱い盛りあがりをみせる「がんサロンのクリスマス会」。残念ながら、昨年は延期されました。そこで、クリスマス会の参加者の皆さんにオリジナルのクリスマスカードを送ることとなりました。
私はカードデザインとイラストの制作を担当しました。IさんとMさんお手製のクリスマスツリーと参加者の皆さんの笑顔をカードのモチーフにしました。カードの版下データを送信するまでが私の担当です。
病院の職員さんとボランティアさんは、印刷、カッティング、折り、カードの発送手配を担当されました。こうして共同作業で作られたクリスマスカードは、昨年のクリスマスに参加者のみなさんのお宅へと届けられました。
選考理由
〇 株式会社 コーセー 宣伝部 宣伝企画 PR課 山内 鞠那
この度は、受賞誠におめでとうございます。
色使いが鮮やかな上、細部まで非常に丁寧に描かれており、とても素敵な作品だと思いました。制作に携わられた皆様の、参加者への温かな想いが伝わってきました。
一人一人の特長が細やかに表現されており、このカードを受け取った皆様の笑顔まで想像することができました。
前回のクリスマス会自体は延期されてしまったとのことですが、いつか会が復活できることをお祈りしております。
クリンスイ 賞(協賛企業賞)
2021年5月27日お別れの日柏熊 あやね さん
届けたいメッセージ
ファームステイでお世話になったホストマザーさんに改めてちゃんと感謝を伝えたいと思い、制作しました。ニワトリの卵を採ったり、トラックで牧場を疾走したり、カンガルーを見に行ったり。楽しい思い出をありがとう。また会ってハグできる日が来るといいな。
選考理由
〇 三菱ケミカル・クリンスイ株式会社 経営企画本部 広告宣伝部 戸越 隆弘
届けたい想いが素直にカタチになっていると感じました。
サリーさんに会いたい気持ち。ハグしたい気持ち。
遠く離れた日本を感じてほしい気持ち・・・
それらが水引のデザインや折り鶴の装飾になっていて、
カードを見た時に柏熊さんとの思い出がよみがえってくるんだろうなと思います。
サリーさんを思う気持ちがこもった素敵なカードでした。
OAC特別賞
1月19日どうかお許しください…!高橋 ひなの さん
届けたいメッセージ
この日から、ずっと友人の本を借りたままになっています。いつも返したいとは思っているけれど、なかなか言い出すことができません。そんな後ろめたさと、申し訳ない気持ちをおじさんに託し、誠心誠意の謝罪が伝わるカードを制作しました。
選考理由
これまで5回行ったこのコンテストで、お詫びというのは初めてでした。
これも誰かに想いを伝える手段だと、あらためて気付かされました。
また、授賞式で作者の方がこのおじさんを「佐藤為五郎56歳」と設定まで考えており、借りたのは作者なのに、お詫び役で登場させられる「佐藤為五郎さん」に、OACのおじさんも同情しきりです。
しかし、ユーモアに身をまとって謝られると、「いいよ!」と言いたくなるのもわかります。
これからも作者の高橋さんはユーモアを忘れずに(忘れるタイプではなさそうですが)歩んでいってください。
(忘れるタイプではなさそうですが)と、いじってしまったことをお詫び申し上げます。