三陸鉄道株式会社×公益社団法人日本広告制作協会(OAC)

三陸鉄道 イートハーブ カレンダー2024 イラスト募集作品

今回全国から73作品のご応募がありました。
ご応募いただいた皆さん、本当にありがとうございます。

各月のテーマとなった賢治のフレーズをクリックすると、その月の応募作品をご覧いただけます。
なお、完成した『三陸鉄道イーハトーブカレンダー2024』は、三鉄オンラインショップ さんてつ屋にてお求めいただけます。

1,000円(税込み)+別途送料。

応募作品

※各月の作品はクリックして拡大表示ができます。
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その場合は、表示スケールを縮小するなどしてご覧ください。

表紙

僕たちと一緒に乗って行こう。
僕たちどこまでだって行ける切符持ってるんだ。

『銀河鉄道の夜』(抜粋)

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1月

薔薇輝石や雪のエッセンスを集めて
ひかりけだかく かゞやきながら
その清麗な サファイア風の惑星を
溶かさうとする あけがたのそら

『暁穹への嫉妬』(抜粋)/ 春と修羅 第二集』

賢治29歳。三陸の旅にて書いた詩、『暁穹(ぎょうきゅう)への嫉妬』からの抜粋です。
この詩碑は三陸鉄道「波板海岸」「三陸花ホテルはまぎく」駐車場にあります。

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2月

沖はいちめんまっ白で
シリウスの上では 一つの氷雪がしづかに溶け
水平線のま上では 乱積雲の一むらが
水の向ふのかなしみを わづかに甘く咀嚼する

『発動機船 第二(下書稿)』(抜粋)/春と修羅 第二集 補遺

『発動機船 第二』も賢治29歳の三陸の旅にて書いたものです。
1997年建立の詩碑は、震災での津波にも耐え抜き三陸鉄道「島越駅」前、島越ふれあい公園に保存されています。

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3月

ゆがみつゝ月は出で うすぐもは淡くにほへり
汽車のおとはかなく 恋ごゝろ風のふくらし
ペンのさやうしなはれ 山の稜白くひかれり
汽車の音はるけく なみだゆゑ松いとくろし
かれ草はさやぎて わが手帳たゞほのかなり

『ゆがみつゝ月は出で』/ 文語詩未定稿

布団の中で聞こえた汽車の音かもしれないし、若いころ実家の屋根に上るのが好きで、そこで感じたことかもしれません。
時空を超えて、いま皆さんは何をこのフレーズから感じますか?

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4月

ところがプラットフォームにならんだむすめ
そのうちひとりがいつまでたっても笑ひをやめず
みんなが肩や せなかを叩き
いろいろしてももうどうしても笑ひやめず

「春」変奏曲』(抜粋)/春と修羅 第二集

この詩は亡くなった妹のトシさんのことを想ったのかもしれません。
笑いがとまらないイキイキしている若い女性がトシさんかな。
つられて周りも笑っているのかな。

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5月

..... 鳥はコバルト山に翔け......
樹はこの夏の計画を 蒼々として雲に描く......
鳥はあっちでもこっちでも
朝のピッコロを吹いてゐる . . . . . .

『祠の前のちしゃのいろした草はらに』(抜粋)/春と修羅 第二集

この詩は1924年5月6日、賢治28歳の時の詩です。
さて、100年後の私たちは、どんな夏の計画を描きましょうか。
※題名にある「ちしゃ」は、レタスの和名。

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6月

げにながれたり 水のいろ
ながれたりげに 水のいろ
このあかつきの 水のさま
はてさへしらに ながれたり

『ながれたり』(抜粋)/文語詩未定稿

美しい響きの詩です。「方丈記」の冒頭、ゆく川の流れは絶えずして……にも通ずるようです。なお、全文を読むと少し怖い詩でもあります。

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7月

栗の木花さき
稲田いちめん青く平らな
イーハトーヴの七月である

『栗の木花さき』(抜粋)/詩ノート

爽やかな風が吹いいているかのような雰囲気を感じます。
夏ノ暑サニモマケヌように、熱中症対策は万全に、ですね。

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8月

いつかすっかり町になってしまったのです。
その中に虔十の林だけは
どう云うわけかそのまま残って居りました。
その杉もやっと一丈ぐらい、
子供らは毎日毎日集まりました。

『虔十公園林』(抜粋)

はあはあと笑いながら、子どもたちが遊ぶ姿を見つめた虔十。
虔十亡き後も、林は残り、「虔十公園林」として子どもたちを楽しませています。

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9月

どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも 吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう

『風の又三郎』冒頭より

子どもたちの想像力が、転校生の高田三郎くんを風の又三郎だと思いこませます。
なお、9月のフレーズは、物語の冒頭に出てきます。ぜひ声に出して読んでみてください。

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10月

ブドリは二時間ばかり歩いて、停車場へ来ました。
それから切符を買って、
イーハトーヴ行きの汽車に乗りました。
汽車はいくつもの沼ばたけをどんどんどんどん
うしろへ送りながら、もう一散に走りました。

『グスコーブドリの伝記』(抜粋)

ある秋の日、ブドリは停車場を目指します。
働きながら勉強し、火山灰や日照り、寒さを除く工夫をしたいと思っています。
なお三陸鉄道の「島越駅」の愛称は、「カルボナード」。
物語に出てくる、カルボナード火山島に由来しています。

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11月

これらのわたくしのおはなしは、
みんな林や野はらや鉄道線路やらで、
虹や月あかりからもらってきたのです。

『注文の多い料理店』序(抜粋)

『注文の多い料理店』序。この全文も一度お読みください。賢治の創作への想いが語られています。
表題作のほか『どんぐりと山猫』など全9編からなる『注文の多い料理店』は、賢治の生前に刊行された唯一の童話集です(詩集では『春と修羅』(第一集)のみ)。

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12月

さあ、切符をしっかり持っておいで。
お前はもう夢の鉄道の中でなしに
本当の世界の火やはげしい波の中を
大股にまっすぐに歩いて行かなければいけない。
天の川のなかでたった一つの ほんとうのその切符を
決しておまえはなくしてはいけない。

『銀河鉄道の夜』(抜粋)

『銀河鉄道の夜』は、本によってブルカニロ博士が登場する第1-3次稿と、博士が一切登場しない4次稿があり、このフレーズはブルカニロ博士がジョバンニに伝えた言葉です。
そしてジョバンニは「ほんとうのさいわい」を探そうと決意します。

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