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OAC設立30年を経過して、広告及びその表現を取り巻く環境は、大きな変化を見せています。広告への新たな視点と展開を求められる今日、30年の経過を起点に、次なるOACの飛躍の一環として「'03
OAC Creative Forum 」を開催いたしました。 |
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'03 OAC Creative Forum 東京会場 |
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●日時 |
2003年10月23日(木)午後1時50分〜午後8時 |
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●場所 |
「グランドアーク半蔵門」東京都千代田区隼町1-1 |
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●内容 |
13:50 |
司会:田村信征(理事)
開会挨拶:服部邦繁(理事長) |
14:00〜15:00 |
基調講演Part-1/ルイス・ブラックウェル氏 |
15:10〜16:10 |
基調講演Part-2/佐藤可士和氏 |
16:20〜17:50 |
パネルディスカション/佐藤可士和氏、佐藤勇氏((株)ズームデザイン)、秋元敦氏((株)エージー)、 コーディネーター田中里沙氏(「宣伝会議」編集長) |
18:00〜20:00 |
レセプションパーティー 司会:木下幸弘(広報委員) |
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●参加者 |
73社 160名 |
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開会挨拶/服部邦繁(理事長)
OACの設立から30年の経過を語り、次なる飛躍のためにOACフォーラムの開催を宣言。今後とも業界の発展のため、OACフォーラムを継続していくことを述べた。
また、このフォーラムは、日本広告主協会様及び日本広告業協会様の後援をいただいていることに感謝の意を述べた。 |
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基調講演Part-1/ルイス・ブラックウェル氏
ゲッティイメージズ主席副社長、クリエイティブ・ディレクター、デザイン、アートコミュニケーションに関する著作、出版活動、現役の作家、および評論家、講演活動家、アートワークのコンサルテーションを国際的に実施。最新の出版・創作物「SOON」は、世界中の名だたるクリエイターの委託デザインを紹介している書籍である。
演題「クリエイティブリサーチから分析する、市場が求める未来の広告とは!」
まず、多角的な視点からのクリエイティブリサーチによる広告デザインを提案。過去の情報による分析だけではなく、現在、未来の流れをとらえ、ビジュアルなカタチに変換していく。そして、クオリティの高い様々な切り口のクリエイティブイメージフォトが映像で提示され、示唆に富むその市場的、社会的意図や主旨が具体的に説明された。
さらに、ブランドマネジメントのサポートにテーマが移り、ビジュアル面でブランドをいかに管理するかという興味深いケーススタディが多数示された。 |
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基調講演Part-2/佐藤可士和氏
多摩美術大学卒、博報堂入社。2000年サムライ設立。
主な仕事/ホンダ…インテグラ、ステップワゴン、Smapの一連キャンペーン、パルコ、TBC、キリンビバレッジ…チビレモン、キリンビール…極生、生黒。
主な受賞/東京ADCグランプリ、朝日広告賞グランプリ、亀倉雄策賞、ADC賞、日本パッケージ賞金賞、他多数受賞。
演題「The Power of Art Direction」
佐藤氏は、具体的なキャンペーン事例の、様々なメディア・ツール展開やスペース展開等のビジュアルを映像で示しながら、その時々のビジネスや制作チームの進め方をリアルに語ってくれた。その制作過程やそのときの意図などが理解でき、外からではうかがい知れない、佐藤流クリエイティブワークの真髄ともいうべき内容が披露された。
特に、グラフィックとかCMとかSPとかの、ジャンルやカテゴリーに分けることなく、コミュニケーショントータルのプランやクリエイティブの方法論は、新しい拡がりのある取組を示している。さらに、各キャンペーンの切り口やコンセプトの鮮度の高さや明快なインパクトは、参加者を大いに刺激したようである。 |
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パネルディスカッション/佐藤可士和氏、佐藤勇氏((株)ズームデザイン)、秋元敦氏((株)エージー) コーディネーター田中里沙氏
これからの新しいプロダクション、クリエイターのあり方について、それぞれの立場や各社のビジネス環境をオープンにしながら、熱い討論が繰り広げられた。
グラフィックデザインだけというより、従来の枠を超えたよりトータルな発想と方法が必要である。そして、単に自分の作りたい表現を作るというのではなく、そのプロジェクトに求められている結果(売上など)を創出するクリエイティブやプランでなければならないと語られた。
そのためには、仕事の進め方、意思決定のシステム、仕事の環境をきちっとデザインすることが大切。さらに、会社は、個々のクリエイターが活躍できる場や環境を提供し、仕事の道筋を与えるのが大きな役目。その上で、仕事を面白くするか否かは、本人の考え方や技術によるものという結論に至った。 |
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レセプションパーティー
レセプションパーティーは、会場を移し、グラス片手に和やかな歓談の場となった。
日本広告業協会専務理事の大畠邦彦氏が、ご挨拶と乾杯の音頭に立たれ、現代社会の中で、自由な発想と発言で世の中をリードしていって欲しいとのお言葉をいただいた。
パネルディスカション登壇者の佐藤氏や田中氏のまわりには、多くの人の輪が生まれ、パネルディスカションの延長ともいうべき意見交換の光景が見受けられた。
会場には、賛助会員様による様々なディスプレイも出展され、多くの参加者が、説明に耳を傾けていた。宴もたけなわの中で、賛助会員ワウワウ・マーケティング様によるBSデジタル放送のデモストレーションとプレゼント抽選も行われ、大いに会場を盛り上げた。
閉会のご挨拶として、統括プロデューサ山本昌邦(理事)による、ご参加の方へのお礼の言葉で締めくくられた。 |
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'03 OAC Creative Forum 名古屋会場 |
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●日時 |
2003年10月30日(木)午後1時50分〜午後8時 |
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●場所 |
「メルパルク」名古屋市千種区 |
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●内容 |
13:40 |
開場 司会:竹村((株)タック) |
13:50 |
開会 開会挨拶:服部邦繁(理事長) |
14:00〜 |
基調講演Part-1/植田正也氏
演題「クライアントも変わった。広告会社も変わった。 企画・制作会社はどうする」 |
15:10〜 |
基調講演Part-2/田中ノリユキ氏
演題「タナカ ノリユキのディレクション」 |
16:30〜 |
パネルディスカション/植田正也氏、田中ノリユキ氏、松村敏明氏((株)マック)、原田良樹氏((有)クリアーレ)、コーディネーター田中理沙氏 |
18:00〜 |
レセプションパーティー |
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●参加者 |
30社 134名 |
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開会挨拶/服部邦繁(理事長)
OACの歩みと活動の概略、およびこれからの業界の発展のためにすべき役割について述べ、OAC設立30周年のフォーラム開催の意義を説明。さらに、中部支部の活動に対しての声援をいただき、今後の地方の活動への期待を述べた。 |
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基調講演Part-1/植田正也氏
早稲田大学仏文科卒、広告会社、広告制作会社、企画会社を経て1990年フリーランサー。広告コンサルティング、クリエイティブディレクション、広告マネージメントに関する著作、出版、講演活動国際的視野で実施。
演題「クライアントも変わった。広告会社も変わった。企画・制作会社はどうする。」
広告会社の現状と、これから求められるクリエイティブの会社について、氏の活動からの経験と知識を元に、新たな指針を数々提示。広告主、メディア、生活者の変化に対して、業界の変化が求められているにもかかわらず、なかなか新しい指針が持てない現状に喝をいれていただいたような講演となった。特に、広告ビジネスの基本を1.広告は言葉のビジネス 2.広告の商品はアイデア 3.業態は問題解決業 4.業種は知識製造産業 と捉え、さらに才能、やる気、プラス志向のある人がいる会社に仕事が集まるであろうという予測は、新しいチャンスを生み出すための指針として大いに参考となる講演であった。 |
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基調講演Part-2/田中ノリユキ氏
1985年東京芸術大学大学院美術研究科終了。80年代後半から国内外での展覧会、プロジェクト、レクチャー、科学者とのコラボレーションワークなどのアートワークとともに、サイエンスミュージアムの設計、映画美術、MUSIC
VIDEO、CM、パフォーマンスの出演、広告、CI、商品開発などのアートディレクター、クリエイティブディレクターとしても国際的に活動。
演題「タナカ ノリユキのディレクション」
ナイキ、ユニクロをはじめ、氏が関わって来たクリエイティブディレクションの仕事を、映像をおりまぜながら解説。広告界へのデビュー作ともいえるナイキの仕事に関しては、何がクリエイターに求められるのか、日本とアメリカのクリエイティブエージェンシーの仕事のスタンスの相違点についての説明がなされ、田中ノリユキ式ともいえる、クリエイターとして、クリエイティブの会社として取り組むべきスタンスが語られた。特に、自分の仕事を理想的なカタチで遂行するための基本として、クリエイティブをする人間にはクライアントを選ぶ権利がある、という言葉から、氏の仕事に対する自信がうかがわれるが、徹底した分析とこだわりがあってこそ、魅力的なクリエイティブが実現する事を示唆してくれた。
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パネルディスカッション/植田正也氏、田中ノリユキ氏、松村敏明氏((株)マック)、原田良樹氏((有)クリアーレ)、コーディネーター田中理沙氏
これからのクリエイティブの会社のあり方と、そこで働くクリエイターに望まれる要因は何か、というテーマを元に、それぞれのお立場からの意見が交わされた。植田氏からは、業界の弱体化については厳しい意見をいただいたが、志のある会社と志のある人がこれから成功の鍵を握り、そこに仕事が集まっていく、と熱弁され、今後のクリエイティブの会社のあるべき理想像が語られたのは、大いに参考となった。田中氏は既成概念の枠をこえて、クリエイターは何をすべきか、何ができのかの提示があり、クリエイターがクリエイターらしく本来の仕事をやるべだという提示がなされた。また、この厳しい環境を切り抜けるのは、スーパーサラリーマンといわれる人材が一般企業に登場しているように、クリエイティブの会社にもそんな人材の育成が不可欠となり、会社としてもその環境整備のために新しい仕事のスタイルの開発が急務である事を痛感させられた。 |
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レセプションパーティー
パーティーの開始にあたっては、クリエイティブフォーラム実行委員長の山本昌邦氏ご挨拶と乾杯でスタート。東京、大阪からも多数駆け付けていただき代表して服部理事長からOACの今後に期待していただきたいという旨のご挨拶があり、さらに壇上で中部の会員社の紹介、そして支部活動として名古屋の制作会社17社で結成された「夢クラブ」というサークルのメンバー紹介もされた。また、来場者同士の名刺交換と談笑もあちらこちらで見受けられ実ににぎやかなものとなった。さらに、アトラクションとして津軽三味線の演奏が行われ、さらに会場の熱気は増した。2時間という時間が非常に短く感じられた程、みなさんの会話が多く、新しい交流の場となったと思われる。中締は常務理事の宮山博氏にお願いしパーティー終了となったが、会場には留まる人も多く、まだ話足らないご様子であり、このフォーラムの成功を実感した。
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