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■第1部 講演「デジタル送稿の現状と将来」 |
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広告主の立場から
「JAAデジタル送稿グループ/中川幹夫」 |
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昨年10月から現在までの花王におけるデジタル送稿導入の経過をリアルに報告。さらに、経過を踏まえた導入のポイントを語った。
準備段階は、平台とDDCPの平行運用を行い、関係者による評価。 さらに製版会社、出版社との体制づくり。2004年10月掲載分より本格的に開始。1月から完全に校了入稿となった。このプロセスで、データ不備による再入稿はゼロ。掲載後の色の再現性も、おおむね満足のいくレベルであった。
導入のポイントとしては、ルール通りのデータ作成とチェックの体制づくり。クリエーターの納得、同意。導入に対する組織的な推進役の存在を挙げた。 |
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広告会社の立場から
「JAAAデジタル送稿ワーキンググループ/若松仁」 |
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広告会社の雑誌現場からという視点で、きわめて実践的・実際的な現状認識と様々なノウハウが示された。
デジタル送稿へ切り替える理由から現状の課題、広告主の動き、従来の色基準とJMPAカラーについて。そして、JMPA運用によるメリットと課題、DDCP校正における留意点と多岐にわたった。
さらに、現状の送稿作業と新たなデジタル送稿の、様々なパターン別の詳細な業務の流れが解説された。 特にデジタル送稿導入のポイントとして、次のことを強調。広告主の決断。デジタル制作・製版の体制づくり。ルールに従った制作(データチェック!)。JMPAカラー準拠DDCP。データの最終フィニッシュを担う製版会社の存在。広告会社はデジタル送稿体制を整備。出版社・印刷会社の体制整備など。最後に、業界全体での推進を、と呼びかけた。 |
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広告制作会社の立場から
「OAC会員社/田中康之」 |
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ネガティブな意識ではなく、デジタル送稿というパラダイムシフトの認識が必要。 画像処理、レイアウト処理、製版処理という各業務に対して、基準カラーの導入、掲載を見据えた画像処理、シームレスな画像処理、さらに、統一された制作ルール、ワークフローの見直し、シームレスなデータ作成の展開。こうすることにより画像処理とレイアウト処理が融合化され、プロダクションサービスの統合化がはかれる。
統合プロダクションサービスを進める条件は、スキル・ノウハウ、ハード・ソフト、運用・メンテナンス、リスク対応が挙げられる。
一社で実現することは困難であり、バリューチェーンという考え方が必要と語った。 |