THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告制作協会
NEWS! イベント&セミナー情報
■「2005 OAC Business Forum」
  グラフィック広告における、デジタル送稿の現状と将来

開催日 2005年3月1日(火) 午後1時〜午後6時15分
開催場所 「銀座フェニックスプラザ」
東京都中央区銀座3-9-11紙パルプ会館
参加者 正会員=63名(32社)
賛助会員=28名(13社)
一般=50名(27社)
合計=141名(72社)

OACは、本年、特にクリエイティブのクオリティアップと制作の効率アップを重点テーマとして、協会活動をすすめている。
その一環として、広告制作業務の新たな環境変化に対応すべく、「2005 OAC Business Forum」を開催した。
ネットワーク時代の本格到来により、広告業界もさらなる作業環境の変革が訪れている。本フォーラムは、デジタル送稿に焦点をあて、広告主をはじめ、広告会社、広告制作会社の各立場からその取組みや対応、現状の導入方法やサービスの紹介を行った。

■進行
司会 木下幸弘(特別ミッション部会部会長)
13:00   開会の挨拶:服部邦繁(OAC理事長)
<第1部> 講演「デジタル送稿の現状と将来」 
13:10   ●広告主の立場から
JAAデジタル送稿グループ/中川幹夫(花王/メディア企画部グループリーダー)
14:10   ●広告会社の立場から
JAAAデジタル送稿ワーキンググループ/若松仁(博報堂DYメディアパートナーズ/メディアカウントスーパーバイザー)
15:10 ●広告制作会社の立場から
OAC会員社/田中康之 (電通テック/クリエーティブ・グラフィック本部 データデザインセンター センター長)
<第2部> 技術解説「デジタル送稿のシステムとテクノロジー」
16:10   ●印刷物のデジタルワークフロー支援サービス
富士ゼロックス(株)/富士フイルムグラフィックシステムズ(株)
17:00   ●デジタル送稿で必要とされる技術と導入上の問題点
(株)Too
18:15   閉会の挨拶:田村信征(特別ミッション部会担当理事)

■第1部 講演「デジタル送稿の現状と将来」
広告主の立場から
  「JAAデジタル送稿グループ/中川幹夫」
昨年10月から現在までの花王におけるデジタル送稿導入の経過をリアルに報告。さらに、経過を踏まえた導入のポイントを語った。
準備段階は、平台とDDCPの平行運用を行い、関係者による評価。 さらに製版会社、出版社との体制づくり。2004年10月掲載分より本格的に開始。1月から完全に校了入稿となった。このプロセスで、データ不備による再入稿はゼロ。掲載後の色の再現性も、おおむね満足のいくレベルであった。
導入のポイントとしては、ルール通りのデータ作成とチェックの体制づくり。クリエーターの納得、同意。導入に対する組織的な推進役の存在を挙げた。
 
広告会社の立場から
  「JAAAデジタル送稿ワーキンググループ/若松仁」
  広告会社の雑誌現場からという視点で、きわめて実践的・実際的な現状認識と様々なノウハウが示された。
デジタル送稿へ切り替える理由から現状の課題、広告主の動き、従来の色基準とJMPAカラーについて。そして、JMPA運用によるメリットと課題、DDCP校正における留意点と多岐にわたった。
さらに、現状の送稿作業と新たなデジタル送稿の、様々なパターン別の詳細な業務の流れが解説された。 特にデジタル送稿導入のポイントとして、次のことを強調。広告主の決断。デジタル制作・製版の体制づくり。ルールに従った制作(データチェック!)。JMPAカラー準拠DDCP。データの最終フィニッシュを担う製版会社の存在。広告会社はデジタル送稿体制を整備。出版社・印刷会社の体制整備など。最後に、業界全体での推進を、と呼びかけた。
 
広告制作会社の立場から
  「OAC会員社/田中康之」
  ネガティブな意識ではなく、デジタル送稿というパラダイムシフトの認識が必要。 画像処理、レイアウト処理、製版処理という各業務に対して、基準カラーの導入、掲載を見据えた画像処理、シームレスな画像処理、さらに、統一された制作ルール、ワークフローの見直し、シームレスなデータ作成の展開。こうすることにより画像処理とレイアウト処理が融合化され、プロダクションサービスの統合化がはかれる。
統合プロダクションサービスを進める条件は、スキル・ノウハウ、ハード・ソフト、運用・メンテナンス、リスク対応が挙げられる。
一社で実現することは困難であり、バリューチェーンという考え方が必要と語った。

■第2部 技術解説「デジタル送稿のシステムとテクノロジー」
印刷物のデジタルワークフロー支援サービス
   「富士ゼロックス(株)/富士フイルムグラフィックシステムズ(株)」
ネットワークを活かした、ワークフロー確立を支援するサービスを紹介。広告主、広告会社、広告制作会社、印刷会社等、同じ仕事にかかわる各社の校正用プリンターの出力色を、インターネットを介して統合的に管理することによりワークフロー全体の最適化をはかる。
さらに、共通した色基準による管理運用システムであるカラーマネジメントシステムも紹介された。印刷の工程を一貫した色基準を作り、その色基準に従って、モニタープルーフを実現することが解説された。
 
デジタル送稿で必要とされる技術と導入上の問題点
  「(株)Too」
  スムースなデジタル送稿の実現は、デジタルワークフローによる作業環境の共通化によって可能となる。
PDF/X1a(業界標準フォーマット)、CMS(プロファイル運用)、Mac OS X(DTP環境の整備)、X serve(サーバーの多様化、一般化)の各パートについて、具体的かつ詳細なハード及びソフトについての紹介と説明がなされた。 。
 
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