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次にいよいよ工場を見せていただきます。もちろん企業秘密保持のため撮影禁止。残念ながら工場内の画像はありません。かわりといっては何ですが、敷地内に展示されている戦前に使われていた石の「エッジランナー」を見てください。紙の繊維をゴリゴリ潰し、毛羽立たせて紙の強度を上げるための道具です。水力を動力にゴリゴリ動いていたのだそうです。 |
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工場内では数十メートルを超えるラインの上で一気に紙が製造されます。このラインは24時間止まること無く動き続け、停止するのは盆・暮れ・GW、年三回のみ。製品を切り替える際の清掃も動かしたままで行うそうです。レクチュアの通り、ラインでは紙繊維を含んだ液体から水分を搾り取り、乾燥させて紙を仕上げていきます。回転し、水が流れ、蒸気と熱が立ちこめる様は正に工場そのものです。騒音も大きいので、ガイド・スタッフの説明はレシーバーを使います。このとき生産されていたのはブルーのマーメイド紙。最終段階の検品は光学系の装置でチェックされます。なかには一目ではわからない不良品もあり、品質の高さを実感しました。
昼食後は特種製紙のショールーム・PAM(Paper And Material)に移動します。 |
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午後のプログラムのはじまりは、竹尾の林
治雄氏の「紙に関するレクチュア」です。紙の発祥、紙の種類や大分類、目の話などをやや駆け足ながら、一時間でまとめていただきました。興味深かったのは印刷適性についてのお話です。印刷にFMスクリーンのような新技術が登場しているように、紙の側にも再現性を高めた新しい紙が登場しています。ぜひとも仕事で使ってみたいものです。 |
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続いてPAMの館内の自由見学です。
特種製紙が創業より製造してきた紙のコレクションにはじまり、紙作りを支える技術の紹介、紙のサンプルと使用例など、紙愛好家・紙オタクならば夢中になってしまうものばかり。光がふんだんに差し込む空間のなかで、ふだんとは異なる時間が過ぎてゆきます。 |
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最後の質疑応答で「再生紙と森林認証紙、どちらをお客様におすすめするべきでしょう?」と質問がありました。即答できるレベルの話題ではなく、スタッフの皆さんを困らせてしまいました。と、いうのもどちらも環境の保全に配慮した紙であり、それぞれ異なるロジックで成立している製品なので、単純に比較はできないからです。後から登場した森林認証紙の方に、より口当たりの良い「メリット」があるのではないか、と私個人は感想をもちました。主催者サイドでも印刷と環境についての問題を重要視しています。本講座の第六回で環境について取り上げたいと、現在計画中です。 |
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第3回は6月20日(金)に開催。
テーマは「インキとシルク・UV印刷」(企画:東洋インキ製造)です。
まだ定員に余裕があります。
OAC会員の皆様の参加をお待ちしております。 |