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午後の部は「○○にできること」というタイトルを設定し、紙・インキ・製本・デジタル印刷・印刷という印刷に関わる5つの分野から、それぞれ「環境対策商品」についての取り組みをお話いただきました。
環境対策商品は、基本的に代替品の提案であり、環境負荷が指摘される素材やプロセスを回避できるよう置き換えたものです。午後の部は、環境対策商品の正しい知識を持ち、上手に組み合わせることで、より魅力的な「エコ提案」ができる、というヒントをいただく貴重な時間となりました。 |
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各分野の講演者
「紙」青柳晃一氏(株式会社竹尾/写真上段左)
「インキ」武田一孝氏(東洋インキ製造株式会社/上段中)
「製本」 中村健一氏(有限会社中村断截所/上段右)
「デジタル印刷」 奈良 誠氏(コダック株式会社/下段左)
「印刷」 根立 隆 氏(錦明印刷株式会社/下段中) |
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最後に、興味深い話題を紹介しておきます。 以前はR100マーク(100%再生パルプ紙)とソイシール(大豆インキ)がついていればエコ対策は万全といわれたものですが、今ではすっかりありがたみが薄れているそうです。そのきっかけは皆さんもご存知の偽装事件と、大豆インキが当たり前になってしまったためだとか。
では、今おススメのエコロジーマークは?と質問したところ、紙→「FSC 森林認証紙マーク」非・違法伐採パルプを証明することができる、インキ→「ノンVOCインキ」揮発性有機化合物(VOC)を含まないため、インキ印刷→「バタフライマーク」水を使わず環境負荷の少ない印刷であるから、といった回答をいただきました。
しかし、これらのマークは条件が厳しいため、R100マークやソイシールよりも使うのが難しくなっています。森林認証紙はそもそも絶対数が限られており、バタフライマークは登録されている工場で印刷しなければ使えません。この厳格さこそが「差別化」につながるということなのでしょう。
こうしたトレンドの変化を見ると、エコロジーマークを適切に効果的に使用するには、正しい知識と継続した情報収集が不可欠といえます。(宇田) |