THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告協会
NEWS! イベント&セミナー情報
インターネットビジネスワークショップ
■「第2回 Webビズ研」

日 時 2009年11月26日(木)17時〜19時
会 場 エプソン販売株式会社(EPSON西新宿三井ビル24F)
主 催 社団法人 日本広告制作協会(OAC)
特別ミッション部会<インターネット委員会>
協 力 エプソン販売(株)、(株)デジタルスケープ、(株)Too、(株)モリサワ
参加数 15社/29名(講師1名含)

第2回「Webビズ研」は、ディスカッション参加者10名、聴講参加19名が参加し開催されました。本編に先立って、インターネット委員会担当理事の梅本氏より開会の挨拶があり、また第1回でのアンケート集計結果が概ね高評だったとの報告がありました。
■第1部
(株)インプレスビジネスメディアが運営している「Web担当者Forum」の編集長の、安田英久氏をゲストスピーカーとして迎え、「Webサイト構築・運用におけるコミュニケーション」について講演いただきました。
安田氏の講演は、「Webサイト構築・運用における関係者およびスタッフ間のコミュニケーションは、そもそも上手くいかない」という前提から始まりました。上手くいかない要因に、システム系担当者とWeb系(デザイン系)担当者の脳(思考)の違いを挙げ、その違いを翻訳(解決)する一つの手段としてPMBOK(Project Management Body of Knowledge)の考え方を紹介。PMBOKの中で、プロジェクトマネージメントを体系化する方法で、例えば打ち合わせは、単なる打ち合わせではなく「○○を決定する場にする」「○○のブレストをする場にする」というように、目的を明確にすることが大切と提言。また、作業の役割を明確にするRACIチャートの利用や、専門外の人たちとのコミュニケーションでは全工程を説明すること、目的と手段を切り分けることなど、具体的にシステム担当者とのコミュニケーション手段を紐解いていきました。
第2回 Webビズ研
第2回 Webビズ研
第2回 Webビズ研
最後に、その上で、どうすればコミュニケーションが上手くいくのか、という課題を参加者パネラーに問いかけ、第1部を終了しました。

■第2部
ディスカッション参加者の円卓に第1部で講演を頂いた安田氏も加わり、第2部のディスカッションがスタート。熱い意見の交換が行われました。
まずは司会進行の梅本氏から、今回のディスカッションのテーマを説明。コミュニケーション(伝達)とプロジェクト進行について、参加者それぞれが抱える課題を共有するという流れでディスカッションがスタートしました。

<現状のプロジェクトの進め方について>
【対クライアント】
  • 理詰めでは通らないので、ステップ・バイ・ステップで進行している。
  • プロとして対応しなければならず、知識が足りない部分はルールブックを読みながら対応している。
【対システム会社担当者】
  • 文化が違うのでディスコミュニケーションを前提にしている。
  • 同じプロジェクトでも異文化交流している感じ。
  • 理系、文系、美系と思考も違い、分かってくれる人を探すしかない。
  • そもそもコミュニケーションは上手くいかないので、対処療法をしている。
  • スタッフを探す。紹介してもらう。強みを把握する。
  • 新しいスタッフは仕事をしてみないと分からないが、双方からの評価を聞く。
  • 週に3社は会い、常に最適なスタッフを探している。
【対社内システム担当者】
  • 新人は育成のため他部署に出向させ、翻訳するワードを各自見つけさせる。
  • メールを禁止している。喋れなくてはいけない。
<コミュニケーション(伝達)における課題>
【対クライアント】
  • 新しいメディア提案など、担当者は理解してくれても、上への稟議の通し方が課題。
【対システム会社担当者】
  • どの時点まで修正可能かなどの提案がなく、指示がなければやらない。
  • コミュニケーションは永遠の課題である。
  • 紙との協業だが、スケジュールで意思疎通ができない。
  • パートナーを探す時間がない。
  • 紙寄りの脳のため、システムとのすりあわせが上手くいかない。
  • ツール代案が多すぎて管理できない。
  • スタッフを選ぶ目がない。
  • 問題はゼロになるか→更なる課題が出る→しゃべらないほどトラブルを起こす→知識がない→個人に頼らなければならない→仕組みができない
【対社内システム担当者】
  • 若手社員のディレクター職への育成が困難。
  • メールで記録を残さないと事が進まない。(もっとナマに話したい)
  • すでにスタッフィングされている。
上記のような各参加者の現状を共有した上で、さらに「プロジェクトの進め方」にフォーカスしたディスカッションへ。

<プロジェクトの進め方で大切にしていること>
【システム会社の選び方】
  • どんなトラブルがあったかを聞くことにより、弱みが分かる。
  • 会う前に契約の雛形を持って来てもらうことで、リスクを減らす。
【プロジェクトの進め方】
  • コンテンツごとの役割表を作って潰していく。
  • WEBには色校正や校閲という項目がないが、あってもいい。
  • 今何をチェックする段階なのか確認する。
  • 素人でも理解できる仕様書を作り、クライアントやシステム担当者双方に確認する。
  • 判子を押す。
  • ゴールイメージを共有することが大切。
  • デジタルだけでは成り立たない。アナログの良さ、つまり相手をもっと知らなければ仕事は成り立たない。
などなど、時間ぎりぎりまで積極的な発言がありました。今回のディスカッションでは、Webビジネスにおいて、プロジェクト内の円滑でアナログなコミュニケーションがいかに重要であるかを共有できたことや、各社それぞれに悩みを抱えていることが分かり、その様々な課題を共有できた貴重な情報交換の場となりました。

最後に、梅本氏より第3回(2月25日)の開催予告と、ここで知り合った仲間でのコラボ成果への期待を込め、来年度もWebビズ研を継続していく意向が伝えられました。

copyright(c)OAC.All rights reserved.