2011年度 わざラボ!第二回目は、平河工業社・小竹事業所を訪ねました。
今回も東洋美術学校5名、東広連3名の学生さんを含む17名が参加されました。
午後から東京メトロ・小竹向原駅前に集合して徒歩5分で現地に到着。まずは会議室で企画営業課の梅原氏の案内で会社の紹介動画を視聴しました。会社のPR用に作成された動画ですが、製版や印刷機械の仕組みや印刷工程が理解出来る内容でした。その後、梅原氏の「印刷の種類」「オフセット印刷の原理」「製版の基礎知識」など図解を見ながら講義を受けました。普段は印刷用のデータ作成までを担っているデザイナーですが、自分達が作ったデータがその後どうやって印刷物になっていくのかを興味深く聞く事ができました。
その後、休憩をはさんで印刷現場を見学しました。ハイデルベルグ社製の様々な印刷機械が稼働する様子を梅原氏の解説を聞きながら進んでいきました。現代の印刷機は昔のイメージと違いすべてをカバーで覆われているために印刷版やブランケットが回転しながら紙に印刷されていく工程をリアルに目の前で見る事はできなくなりましたが、紙の湿度を均一に保持するために工場室内の温度や湿度が一定に管理されているために、とてもきれいな工場施設でした。印刷機械で印象に残ったものはハイデルベルグ製の8色機「スピードマスターSM102」で、枚葉で表裏を一度に4色印刷出来る印刷機。印刷ユニットが8箇所も並んでいて、あまりに長いので前と後ろにはマイクが取り付けられていました。その後、デザイン現場から送られて来たデータを印刷版にするまでのプリプレス現場を見学。デザイナーにとって、自分の手から離れたデータが色んな人たちの手によって製版されていく行程を見る事が出来て、今後のデータ作りのためになったのではないでしょうか。
梅原氏による印刷知識の講義
回覧された印刷サンプルを熱心に見る
工場内は機械の音が大きいのでみんなイヤホンを付けて梅原氏の説明を聞く。
ハイデルベルグ製の8色機「スピードマスターSM102」
4色オフセット印刷機の印刷版の交換
アナログ製版についての解説にベテランは懐かしく、若い人には驚きをもって聞き入っていました。
今回訪問した平河工業社さんは、4色印刷はもちろんですが「文化の根源は文字にある」という原点に立ち、「文字」にこだわった1色印刷にも力を入れておられます。またドイツ・ハイデルベルク社製の高速オフセット印刷機120台を稼動させ、機械を標準化させることで均一で高品質の文字印刷を仕上げる体制を確立されています。どうもありがとうございました。
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