THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告制作協会
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■クリセン8月8日の開催報告
第1回クリエイティブワークショップ「クリセン」for ビギナーズ

開催日 2012年8月8日(水)
会 場 日本広告制作協会 事務局
時 間 14時〜17時(受付13時半〜)

「コミュニケーションデザイン」

講師 鎌倉生光氏
株式会社1192 代表
クリエイティブ ディレクター/コミュニケーション デザイナー
今日はコア・アイデアのコツを3つ紹介。
鎌倉さんが最も優れていると思う、コミュニケーションデザインの例は、1970年代、ニューヨークの街はスラム化、犯罪多発、観光客減少の状況であった。
そこでニューヨーク市ではキャンペーンを展開。自分の街を愛さなければ駄目だ!と言う気持ちが人々の間で高まった。

このアイラブニューヨークのコア・アイデアはロゴマーク!ロゴマークだけで様々な使われ方がされている。

まがい物が多く出てきているが、それだけ多くの方にインパクトを与えている。このI♥NYを私は基準にしていると語られました。

■コミュニケーションデザインの失敗例

ドコモショップに買い替えや修理以外でお客さんにきてもらいたいというオリエンがあった。

その時のプレゼンでは・・・

Happy Number

急な雨が降ったとき、ドコモショップにいくとビニール傘(ドコモロゴ、大きな数字)を貸してくれる。そうすると、大きな数字の傘が待ち合わせの目印になったり、生活をサポートしたり意外性のあるメディアとして人の気持ちを動かすのではないか。そう考えて新聞、雑誌、Web、イベント等で提案。雨の日をちょっとハッピーに!

アイデアは盛り上がった。が・・・

失敗!

捨てられた傘は、悪いメディアになる。(ドコモの傘が捨てられて迷惑等の声が出たら困る)

■コア・アイデアの3つのコツ

ではまずアイデアって何?
古いもの×古いもの=新しいもの
紹介された本
・「アイデアのレッスン」 外山滋比古
・「アイデアの作り方」 ジェームズ・W・ヤング

フジテレビのイベントに、手提げ袋に動物の絵を描いて提案。持ち手がテナガザルの手になっていたりする。なんてことはないが、それだけで新しいアイデアになる。

コミュニケーション・ギャップを探すこと:問題点の設定

(何が問題?)

・例えば、グーグルマップ・・・

地図としてだけの使い方しかされていない。グーグルとしてはおすすめや様々な案内もおこなっているのに伝わっていない。

そこで提案したのは、目的地にピンが立つとそこでおしまいの気がしてしまう。そこでピンが始まりと思うようにしようと提案。世界の実際の場所に実物のピンを立ててみた。

「いじり」は、価値転換の最も簡単な方法

・昼食難民がいる。入りたいけど入れない。人が多くて。その状況をいじり、サンプリングの切っ掛けとする。

状況やターゲットをいじる。商品をいじる。

芸人さんがネタを考えるのと同じ。

■ワークショップ課題1

どうやったら島根県民に歩いてもらえるか?

現在鎌倉さんは、面白法人カヤックと組み、各県のワーストをどうやって改善できるかを「ワーストバスターズ」と言うサイトで模索しています。今回は、その中の島根県を題材に。

みんな考えはじめます。

さて、みんなの意見です。

○一人だと歩いていてもつまらない。子供のころの集団登校のように会社でも新入社員から社長まで集団通勤する日があってもよいのでは。

○子供には特に歩くことが楽しくなる体験をさせたい。いろんな楽しめる地面(道路)を作って(例)足ツボを刺激する、音が出る・・・それに触れることが楽しいと感じさせる。

○道を歩いているとよくネコに出会う。そこで街で見かけたネコを写メして投稿。そんなサイトを作ったらどうだろう。

○万歩計のアプリをつくり、ただ揺すってではなくGPS機能と連動させて実際に歩いてもらう。そこでポイントが溜り、課金制のゲームでもそのポイントで遊べるようにする。

○島根県民から「靴」のデザインを募集!あの、日本で最もあるかない県、島根県民がこの靴なら歩きたくなると言った靴!とアピールして、話題を高める。島根県と言えば「靴」と思わせる。島根県民としては言った手前、歩かなくてはいけない(?)。

○万歩計とアプリを一緒にし、アプリの中で犬を飼う。色々なことがアプリの中では出来るが、散歩だけは実際に外を歩かなくちゃダメ。おサイフ携帯的な機能も付加し犬と散歩しつつ自販機ではタッチするとポイントがお金代わりに使えるなどする。

○実際の犬を散歩するボランティアをしてもらう。

鎌倉さんの講評

よく15分くらいでいろいろなことを思いついてくれました。
実は東京工芸大学でも同じ設問をした授業を行い、出てきたのが

「ボクと散歩して!」
〜ドッグテスト&ウォーキング〜

みなさんのアイデアの中にもありましたが、犬の散歩です。犬の殺処分は1年間で850万頭にものぼるといいます。そこで、殺処分予定の犬とのふれあいの機会を作り、気に入ったら一緒に連れて帰れるイベントをしてはどうかと言う内容です。

しかし、アプリの中で犬を飼って散歩は実際に歩かなければいけない!と言うアイデアも面白いですね。よく短時間でここまでアイデアを出してくれたと思います。

鎌倉さん、可愛い休憩用スライドを用意してくれました。


■ワークショップ課題2

プロセス
@ ターゲットと問題を仮定する
*何が課題で、誰を中心に巻き込むか。
A コア・アイデアを考える
*何をいじって中心のアイデアにするか。ターゲットに何を体験してもらうか。
B 展開案を考える

ここからはグループになって鎌倉さんが買ってきた「カール」を食べながら考えます。


そして各グループのプレゼンが始まりました。



■鎌倉さんのコア・アイデア例

カールおじさんの家出。

ひげ

パッケージではひげだけ(うさぎさんチームの反対の案)。

おじさんのいなくなったため、代役選挙。カールルイスとか世の中のカールさん。

おじさんがいなくなる。Web等で探す仕組みをつくる。Tシャツのマークがひげだけ。一緒に探す等々。


鎌倉さんから最後に一言。
みなさん短い時間の中で良く考えてくれたと思います。コア・アイデアをどう導くか。いろんな側面で試してみてください。

これで2012年度第1回目の「クリセンforビギナーズ」は終了しました。


【参加者の声】

◆感想

○実際にワークショップ形式でアイデアを考えながら鎌倉さんにご指導いただけてとても良かった。

○自分が考えた案を即座にチェックしていただき、更にアドバイスを受けられたのでとても為になった。

○初めてやることばかりだったので、学べることばかりでした。本当に為になりました。

○課題をこなして、評価をその場でしてもらうことが新鮮でした。普段一緒にはなれない他大学の広研の人と課題を考えるのも楽しかったです。

○アイデアの考え方について改めて知ることが出来、また少人数なので自分のアイデアの評価が聞くことができた。

○課題のフィードバックが早いのと、具体的な模範解答があって自分のアイデアと比較しやすく、考え方も参考になった。

○ワークショップ形式でアドバイスを受けながら、実際に考えることが出来てとても面白かった。

○普段本気で考える機会がなかったので良い体験ができました。

○学内でもセールスプロモーションを考える際、コア・アイデアはとても難しく技術的・体系的な知識を欲していたのでとても為になった。

○鎌倉さんがとても親しみやすい方で、3時間半のワークショップがあっという間でした。


◆今後もクリセンに参加したいと思いますか?

全員が参加したいと回答。

○とても参考になったため。

○難しいと感じたこともあったが、とても楽しかったから。

○今日がとても面白かったから。

○広告のことをもっと詳しく知りたいから。

○今回のワークショップがとても勉強になったので。

○今後も魅力的な内容がラインナップされているので。


◆今後の「クリセン」で取り上げて欲しいテーマは?

○コピー講座(3名)

○Webデザイン

○ユニバーサルデザイン

○絵コンテのコツ

○広告の歴史

○Webアプリ・iPhoneアプリ


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