以前は、物を売ることより良いイメージ付をし、好感をもってもらう広告が主流でしたが、現在はその広告やプロモーションでどれだけ売れるのかを求められている。
最終的に「売りにつなげるエンジン」がプロモーション。
そのプロモーションエンジンを設計するにあたって必要不可欠な「生活者のホンネ」探しをしていきながら、クリエイティブ&プロモーション設計にトライしていきましょう。
■「モノを買う」行為は恋愛に似ている
■プロモーションプランニングとは、どうやったら好きになって、買ってもらえるか考えること。
■そのためには、ターゲット(相手)のキモチ・ホンネを調べる必要あり。
<このホンネのことを、
「インサイト」と呼びます>
インサイトとは?
生活者の本音(潜在意識)
・ひとは、95%の無意識により行動している。
この無意識に隠れたホンネがプロモーションを成功させる鍵!
* あるシャンプーを買った人にお店から出てきてインタビュー。
「何故その商品を買ったのですか?」
そう尋ねると、
「安かったから」
でもその商品の隣にもっと安い商品がありましたよ。
「あら?そう?」
深く聞いていくと、CMで見てそのことが気になっていたらしい。
では、どうやって調べるか?
○行動観察調査法
あるレンタカー会社が、売上が落ち込んでいるのでアンケートでその課題を浮き彫りにしようとしたが、返ってきた答えは全て既に取り組んでいることで、問題点が判明できなかった。そこで、ビデオカメラをセットしてお客様の取る行動を観察することにした。すると、車に乗る前にお菓子やジュースを買う傾向、親が手続き中にかまってもらえない子供が泣いている、荷物を床に置き、必要なものを探している。
お客様は特にそれが不満とは思っていないが、行動には出ている。
そこでその会社は、○コンビニを併設 ○チャイルドコーナーの設置 ○広いドレスルームに
その結果、売上げは回復していった。
○フォトダイヤリー法
被験者にある課題で、写真を撮ってきてもらう。
(例)理想的なお休み、嫌なおやすみ
それに基づき1対1でインタビューを実施。そこから無意識化のホンネを探っていく方法。
○コラージュ法
何百点もの様々な写真の中から、課題に沿った写真を直感で選んでもらう。そして何故その課題に対してその写真を選んだのか、1点1点インタビューしていく。
さて、ワークショップに突入です。
【課題】
今日の課題は、ある飲料メーカーの焼酎(麦と芋)。
どちらも小売はしていなくて、料飲店(居酒屋等)専用。
出荷量を前年比110%にしたい(小売の計画は無い)。
○ 既存飲料店への出荷量を増やす
○ 新規取り扱い飲料店を増やす
○ お客様より指名を獲得し、回転率、リピート率を増やすことによって出荷量を結果的に増やすことが理想。
○ 同一店舗で両ブランドを扱ってもらうことが理想。
【発想・解決手順】
1.飲んでくれる可能性の高い人=ターゲットを明らかにしよう。
2.そのターゲットが、対象商品を飲むときの気持ちをみんなで想像してみよう。
3.キーインサイトとなりえる「気持ち・気分」を抽出。
4.そのターゲットのキーインサイトに対して、対象となっている商品はどんな良いこと
(機能的ベネフィット・情緒的ベネフィット)を与えるかを整理しよう。
5.インサイトに応え、且つ商品特徴(ベネフィット)が包括されているコンセプトを一言にまとめ、それを「コア・アイデア」として昇華させよう。
6.コア・アイデアに基づき、店頭ポスターのメインビジュアルとキャッチコピーを考えてみよう。
さてみんな課題に取り組みます。
■チーム近眼の発表
○焼酎を飲むときは、本当の自分をみせたいとき。
コア・アイデアを「本当の自分を出せる酒」。
板垣さんからは、本当の自分をみせたいと思うと言うのはなるほどと思うし、ストーリーとしても的を得ていると思う。難を言えば、ターゲットを少人数で飲む人としている点で、得意先は出荷量を110%にしたいと思っているので、そのあたりにどう切り替えしていくかも考えておかなくちゃいけないね。との講評。
■チーム出雲の発表。
○ターゲットを「ぶっちゃけたい男女」
インサイトを「バリアをとりはらいたい」
コア・アイデア:芋焼酎「乗り越えないか?」 男性向き
コア・アイデア:麦焼酎「乗り越えちゃう?!」女性向き
ビジュアルは幾何学的にコア・アイデアを表している。
板垣さんからは、チーム近眼と同じように本当の自分を出したい点は同じですね。
また、芋と麦で男性と女性に分ける視点はいいですね。ビジュアルも乗り越えたり、乗り越えて行こうとしている感じがしますね。
両チームとも短時間で、よくやったと思います。
この後、板垣さんが考えるインサイト、コア・アイデアの例が紹介され、やはり両チームと同じように自分をさらけ出す様子がインサイト。そしてプロモーションアイデア例の紹介が行われました。
そして、まとめです。
○プロモーションも、クリエイティブも、ターゲットから好きになってもらって、最終的に顧客になってもらうことが大事
○好きになってもらうためには、ターゲットのキモチ(ホンネ=インサイト)を知ることが大事
○ターゲットインサイトが見つかったら、それに応えられる商品特徴を機能・情緒的価値の両面で整理する。
○インサイトに応え、且つ対象商品ならでは特徴を包含したクリエイティブ・コア・アイディアを設定する。
○クリエイティブ・コア・アイディアに基づきプロモーション施策を実施すれば、それに触れたターゲットは、その商品を好きになる
○クリエイティブのトーン&マナーはその商品の「ブランドパーソナリティー」によって規定される。ブランドパーソナリティーは、その商品の機能的価値と情緒的価値から導き出される
そして、終了後参加者全員で板垣さんを囲んで懇親会。写真撮っておけばよかっのですが、焼酎飲んで忘れてしまいました。楽しい懇親会でした。なお、全員参加は初めて。板垣さんの内容が惹きつけたのでしょうね。