本日は参加申し込み者が多く、急遽日本デザイナー学院さんにご協力いただき、教室をお借りしての開催です。
黒須さんの自己紹介が終わり、まず「どんなコピーがほめられているのか?」
TCCの新人賞を例にとり説明がはじまりました。ご自分もTCC会員だけに見る目も厳しくなります。
『コピーライターで時折みかけるのが、「・・・かもしれない。」と言う表現。これはよくない。そうかもしれないけれど、逃げのある表現になっている』
では、『いいコピーって何だろう?』
2013年『コピー年鑑』審査方針から佐々木宏さんの言葉を一部抜粋した資料が配布された。
・・・「これは流行ったなぁ〜」「これは、結構発見のあるフレーズだったなぁ」とか「これは、かなり商品を良く見せるのに役立っている言葉だったなぁ」とか、そういうきちんと流通して機能した、いいコピー発見会という感じにしたいですね。
さて、最近の事例でキャッチフレーズを流行らせようという気概のある仕事として、たとえばと紹介されたのは・・・
プロモーションのコアが伝わる。
誰もが思いつかないことを、覚えやすく、言いやすく。
八百屋さん歴30年の内田さんが5年前にはじめた「やさい塾」。野菜も売るけど「内田悟」も売れた。
糸井さんの日本語。ひらがなばかり。概念の言葉が、ない。
アルファベットの略語に飽きたところに、「ヒカリエ」。覚えやすい。
トロしめさば
「トロサバ」、もともと漁師さんの言葉。マグロの形容詞のサバへの移植。
以下は、黒須さんが携わったものです。
(一人で創ったわけではないので「私の作品」とは言えないとおっしゃっております)
「素肌とおなじ弱酸性」(ビオレU)
タグライン、20年目。ていねいな言葉さがし。
*タグラインの説明は
こちらのサイトがわかりやすいので、どうぞ。
「まん中吸収、センターイン」
コンセプト=キャッチフレーズ=ネーミング
キャッチフレーズに関しての要約
1,最短。4文字、5文字、6文字。
2,コンセプト=キャッチフレーズ(=ネーミング)
3,自分の言葉。生活の言葉。ウソのない言葉。
4,想定外(人がイメージする、さらにその外側に行くこと)。
黒須さんは言います。考えるとはどういうことか。
・考える=たくさん考える
・考える=速く考える
・考える=もう考えられないくらい考えて、そこからさらに考える
さて、これから実習にはいりますがまずは練習。
黒須さんの講座で以前も取り上げましたが、
なぜ100本?
なぜ15分?
それは、考える基本動作だから。
速く、たくさん。
あきらめない
それは、職業的使命
(あきらめたら、そこで試合は終了ですよ)
byスラムダンク安西先生
前回は最高で43個の言い換えでしたが、さて今回はどうかな?
みんな書きはじめます。
結構、書いていますね。
終了!
最高は92個!すごい!
前回をかなり上回りました。黒須さんは言います。ムリヤリひねり出した後半に、面白い、ユニークなものが多かったのではないですか?
それは「アイデア」の芽。
当たり前のことを吐き出した後に、成功確率は高まります。まずはこの感触を体得することです。
続いて黒須さんからコンセプトとクリエイティブの関係についての講義です。
What to say と How to say
どう伝えるかの前に、
何を伝えるのかを吟味、絞り込む必要がある
・プランニング部分で課題・問題点の洗い出しを行っていく。
・そこで出た最大の課題・問題点からコンセプトとなるワードを導き出す。
・そのワードからどう表現していくかをクリエイティブワーク部で広げていく。
■本日の課題1
「イワシ」を日本の人気メニューに押し上げるキーワードを考えよう。
制限時間15分
・イワシ=魚へんに弱い。それだけさげすまれてきた。
・「トロイワシ」?・・・だめでしょう。
・自分でも「こう言われたら食べる!」
・課題は何か、何が「好き」の障害になっているのか。
まずは言葉で考える。
発表。
骨ごとたべよう。
「あの人」が効いている。
きらいじゃない。
何かが始まる際のお祝いに、イワシを食べる発想。面白い目の付け所。
海の米。黒須さんの目にかないました。
■本日の課題2
「ヒカリエ」の隣にビルが建つ。そのビルのネーミングは?
・東急が渋谷の再開発でさらに手を打つとします。
・「ヒカリエ」が当たっただけに、それに続く企画は大変。
・「ヒカリエ」をライバルと思うか、兄弟と思うか。
そこで作戦は分かれます。どちらをイメージしても良いでしょう。
・とにかく「集客」。渋谷の活性化です。
発表!
時間が押してきました。みなさんの提案をボードに貼りだしてみました。
トナリエ、KogoSei、オカエリ・・・。様々な案が出てきました。
みなさん、おつかれさまでした。
他の人はどう考えているのか、なんであんなに案がだせるのか、あれは良いな、こんな発想があるんだ・・・いろんなことを感じたのではないでしょうか。
終了後、有志で近所の飲み屋さんで黒須さんを囲んでの懇親会でも10名のかたが参加。社会人に質問を投げかけられる機会にもなり、学生の参加者のみなさんにはこの懇親会も有益だったようです。