第二部では、「文字」を"あつかう側"の草野 剛氏と筑紫書体の生みの親で「文字」を"設計開発する側"の藤田重信氏のフリートークを聴講しました。藤田氏からは、「筑紫書体」の開発の経緯や筑紫丸ゴシックや筑紫明朝の制作におけるコンセプト。制作者ならではの文字への表現したいこだわりをお聞きしました。一方、草野氏からは、書体を選び、文字を組む時の考え方や使い方を、いくつかの作品事例とともにお話し頂きました。常に新鮮な表現を意識して文字とつきあっている草野氏のトークは、皆さんもわくわくして聞かれたことかと思われます。
フォント制作するとき、フォント扱う時に、二人の共通点は、今日まで継承されてきたものや既成の概念を、クリエーターは、現代においてどのように工夫して表現するかということを双方の立場から熱く語られていらっしゃいました。
また、草野氏からは、教鞭をとられる美術学校の学生たちのフォントに対する意識についてもお話いただきました。フォントの選択肢が多いのが当たり前の環境の中で育っているので、自由な感覚をもっているようです。またセリフ、サンセリフなど字の成り立ちについて教えると、かなり新鮮に感じる学生が多い
ようです。活字離れとは言われているけれども、メールやネットなどで文字に触れている時間は、かつての学生よりも長いのではないかということでした。ただ、印刷物のように文字の詰めにこだわるなど、繊細な感覚を持っている人は、やはりいい仕事をするように成長すると感じていらっしゃいました。
フォントに関する感性の話や、書体を開発する話は、はなかなか、講義で聞ける機会は少ないと思います。参加されたみなさんもトークに熱心に聞き入っていました。
フォントワークス株式会社のみなさま、草野剛さま、どうもありがとうございました。
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