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OAC 社団法人 日本広告制作協会
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■わざラボ第4回【フォント-文字の話】実施レポート
 

日時:2012 年11 月9日(金)
場所:株式会社日本デザインセンター POLYLOUGE
参加者:28名
協力:フォントワークス株式会社

2012 年わざラボ!第4 回【フォント-文字の話】が日本デザインセンター「POLYLOUGUE」にて開催さ れました。本講座は、福岡のフォントメーカー、フォントワークス様にカリキュラムを構成していただき、2部構成の充実した内容となりました。第一部ではフォントの基礎知識を学び、第2 部では、アートディレクターの草野剛氏とフォントワークスのフォントクリエーターである藤田重信氏を迎え、文字の作り手と使い手による非常に興味深いトークセッションを聴講しました。


「フォントに関する基礎知識」
フォントワークス株式会社:三原史朗氏


第一部では、DTP におけるフォント環境の動向、フォントフォーマットやバージョンの詳細、JIS2004、OPEN TYPEの特性などの基礎知識を再確認させていただきました。環境の違うPC間でのデータのやりとりが当たり前となっていますが、知らないと思わぬ落とし穴があることを改めて学びました。また、フォントには各メーカーが定めた使用許諾範囲があり、フォント料金とは別に利用料金が発生するケースがあることや使用時の注意点をお話いただきました。デジタルフォントは従来の印刷物にとどまらず、Webや携帯のコンテンツ、ゲーム機器、映像など幅広く利用されるようになり、使用目的や運用方法がますます拡大しています。ですが、特にASP サーバー上やWebフォント、ロゴタイプでの利用は、フォントメーカーに使用許諾範囲の確認が必要です。フォントを扱う上での我々制作者が負うべき責任について、理解しているようで意外と知られていないことではないでしょうか。早速、制作現場で情報共有してもらいたい重要な講義内容だったと思います。有名ブランドや新作映画にもフォントワークスの書体が効果的に使用されているお話も参加者は熱心に聴かれていました。

「フォントの開発とデザインの現場」
アートディレクター:草野 剛氏 /
フォントワークス株式会社 書体開発部部長:藤田重信氏


第二部では、「文字」を"あつかう側"の草野 剛氏と筑紫書体の生みの親で「文字」を"設計開発する側"の藤田重信氏のフリートークを聴講しました。藤田氏からは、「筑紫書体」の開発の経緯や筑紫丸ゴシックや筑紫明朝の制作におけるコンセプト。制作者ならではの文字への表現したいこだわりをお聞きしました。一方、草野氏からは、書体を選び、文字を組む時の考え方や使い方を、いくつかの作品事例とともにお話し頂きました。常に新鮮な表現を意識して文字とつきあっている草野氏のトークは、皆さんもわくわくして聞かれたことかと思われます。
フォント制作するとき、フォント扱う時に、二人の共通点は、今日まで継承されてきたものや既成の概念を、クリエーターは、現代においてどのように工夫して表現するかということを双方の立場から熱く語られていらっしゃいました。
また、草野氏からは、教鞭をとられる美術学校の学生たちのフォントに対する意識についてもお話いただきました。フォントの選択肢が多いのが当たり前の環境の中で育っているので、自由な感覚をもっているようです。またセリフ、サンセリフなど字の成り立ちについて教えると、かなり新鮮に感じる学生が多い ようです。活字離れとは言われているけれども、メールやネットなどで文字に触れている時間は、かつての学生よりも長いのではないかということでした。ただ、印刷物のように文字の詰めにこだわるなど、繊細な感覚を持っている人は、やはりいい仕事をするように成長すると感じていらっしゃいました。 フォントに関する感性の話や、書体を開発する話は、はなかなか、講義で聞ける機会は少ないと思います。参加されたみなさんもトークに熱心に聞き入っていました。

フォントワークス株式会社のみなさま、草野剛さま、どうもありがとうございました。

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