THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告制作協会
NEWS! イベント&セミナー情報
■2012年度 第1回「Webビズ研」開催報告

「本当に知りたかったWEBコンテンツ制作の秘訣」
日 時 2012年9月5日(水)17:00〜19:00
会 場 株式会社モリサワ モリサワホール
講 師 姫井 晃氏/株式会社モリサワ マーケティング部 部長
森 勇一氏/サッポロビール株式会社 サッポロブランド戦略部 宣伝室
野村亮太氏/東京野村事務所
主 催 社団法人 日本広告制作協会(OAC)
協 力 株式会社モリサワ、サッポロビール株式会社、株式会社Too、株式会社イマジカデジタルスケープ、公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会
「業務で生かせるWeb講座」を標榜するビジネス研究会(Webビズ研)の、2012年度第1回となるセミナーを開催。株式会社モリサワの姫井 晃氏とサッポロビール株式会社の森 勇一氏、東京野村事務所の野村亮太氏を講師に招いて「本当に知りたかったWEBコンテンツ制作の秘訣」と題して、企業のWEB戦略に基づくコンテンツ企画・制作・運営の具体例を聞き、これから必要とされるコンテンツの考え方を探りました。
■第1部 B to BサービスWEBコンテンツ制作の秘訣
〜モリサワコーポレートサイトにみるサイト構築、コンテンツ制作について〜


1.2005年当時のWebサイトの課題
〈顧客に対して〉
●文化貢献コンテンツが少ない=モリサワなら、もっとコンテンツがあるはず
●Webの見え方が、社内部門が見ているようで、顧客視点ではない

〈社内に対して〉
●更新などのフローが煩雑かつ時間がかかる
●MORISAWA PASSPORT導入時にサイトに組み入れることができなかった。
●Webサイトそのものの重要性がアップ
2.2006年、新サイト制作会社選定
〈ポイント〉
●モリサワをよく知っている会社
●タイポグラフィに詳しい会社
●サイト構築、デザインまでできる会社
3.新サイト・プロジェクトのゴール設定
〈Webを通じて顧客満足度を向上させる〉
●見やすくシンプルなデザイン&構造
●スピーディーでタイムリーな情報発信
●CMS、社内体制の整理
●ユーザーとモリサワのコミュニケーションツールにしたい
4.制作会社からの提案
●「学びの機会」をつくるコンテンツ
●「機会」を逃さない情報構造/UI
●サイト自体を「書体見本」と考えるデザイン
5.現在のモリサワのコーポレートサイトのコンテンツ
●今日は何の字
・顧客参加型コンテンツ ・書体に親しみを感じてもらう ・日本語フォントの表現向上
●書体見聞
・書体開発、デザインコンセプトなどを書体デザイナーから語ってもらう
●文字を組む方法
・書体と組版は一対であることから、文字を組むということを語ってもらう連載企画
●書体を遊ぼう
・書体を選択する際に、使用シーンを想定してわかりやすく、書体選択の違いをわかってもらえることを目指した
●FontPark2.0(2008年)
・tha 中村勇吾氏によるフォントを使って遊べるサイト
●じょうずなワニのつかまえ方(2009年)
・書籍として出版されていたものを、Web仕様として再編集して登場させた
6.サイトリニューアル後、新たな提案事項
●ショップ(ストア)のリニューアル
●WEB上のチャネル、ブロガーに向けたAPI
●関連ページの検索エンジン対応
●書体見本、比較リストの改善
●PSS配信          など
7.リニューアル後の懸案事項
●モリサワ側、制作会社側の運営体制
●連載系コンテンツの制作体制    など
8.結論
●Webは企業活動の一環として、非常に重要なポジション
●制作会社とタッグを組むプロジェクトは刺激的で楽しい
●これからも、頑張って前進します!

新サイト立ち上げの中心的役割をされた姫井氏が、制作会社といっしょにサイトを構築していく際の手順やエピソードを時系列で紹介されました。密なディスカッションの末に考えられたコンテンツの数々は、モリサワの商品である書体を全面に押し出したユニークな企画ばかり。ユーザーコミュニケーションを大切にした同社ならではの企業姿勢が見て取れるものに仕上がっています。



■第2部 ヱビスWEBコンテンツ制作の秘訣
〜すべてのお客様にヱビスを楽しんでいただくために〜

1.Web担当者の業務範囲
業務は、広範囲で、しかも深い (経営課題の分析・発掘〜広告効果の測定と改善〜顧客データベースの分析)
2.ヱビスブランドの基本戦略
〈ポイント1〉震災後の定番回帰
〈ポイント2〉エントリー層、コア層の両立
〈ポイント3〉エクステンション商品の位置づけ

   ↓

●ヱビスビール強化戦略
あらゆる情報発信施策を通じて、ヱビスビールを強化!

●2012年コミュニケーションメッセージ
『もてなしの国の傑作です』 ※おもてなし ※色彩美

●ヱビスビールは特別な存在
〈目的〉
・ブランドの世界観 → ブランディング
・ヱビスファンとのコミュニケーション → 身近さ・親近感
・血の濃いヱビスファンの醸成

〈ターゲット〉
・ヱビスファンで情報感度が高い方(40〜50歳代)
・新規ユーザー(20〜30歳代)
3.ヱビスコンテンツ制作のプロセス



●どんな考え方で、どんなコンテンツを、どのように展開しているか



WEBの役割は、生活者との接点の一部であることを認識

●表現提案
『おもてなし』
この、日本国有のすばらしい精神性(日本人の心)を、完全にヱビスのものに。

●WEBにおける、あらゆるタッチポイントにおいて、
表現の落とし込みを行うことで、競合のパワーマーケティングに対抗

●オウンドメディアの目的を整理、再設定する。
〈商品開発・マーケティング戦略策定〉〈見込み顧客作り〉〈顧客の刈り取り〉〈CSR〉

●『Y列車で行こう!』
●『YEBISU文化堂』
●『造り手が語る、ヱビス』
●『SILK LOVE LIFE』
●ヱビスビール Facebookページ
『週刊シルクスナップ』『乾杯』
4.クライアント⇔代理店・制作会社、それぞれに求めるもの
〈代理店・制作会社に求めるもの〉
・コミュニケーション
・品質
・回答時間
・業界知識
・フィードバック
〈クライアントに求めるもの〉
・一歩踏み出すチャレンジをしてほしい
・コンテンツを中長期的な視点で見てほしい

森氏と野村氏の掛け合い的なトークなど、クライアント側と制作側の考え方や言い分を交えながらヱビスビールの戦略について語っていただきました。最後にサッポロビールの森氏が言われた、「WEB制作にあたっての技術があることはもちろんですが、WEBサイトをよりよくするためのアイデアをいっしょに考えてくださる制作会社を一番求めています」というメッセージに応えられるかどうかが、今後の制作会社の方向性を左右するかもしれません。



copyright(c)OAC.All rights reserved.