大賞
母への思い出メッセージ木野田 博彦さん
届けたいメッセージ
今年の3月3日母は90歳の誕生日を迎えました。しかし、そのおよそ1ヶ月後の4月10日、母は亡くなってしまいました。明るく元気で面倒見のいい母、動物が大好きで特に猫を可愛がっていた母・・・母への思いは尽きません。そこでふと思い浮かんだ母との何気ない思い出を、メッセージとしてまとめてみました。
選考理由
メッセージカードを審査するということがいかに大変かと思い知らされました。送る人ともらう人の数だけの価値観が含まれているからです。今回は、広告やポスターなどを見るデザイナー的な評価軸はいったん捨て去り、シンプルに心を奪われたものを選びました。この作品は描かれた絵や仕掛けに嫌味やあざとさがなく、作者の母親へのひたむきな想いが、一編の絵本のように紡がれ、目を閉じれば二人の姿が浮かび上がってくるようでした。
カイシトモヤ賞
21歳の誕生日おめでとう太田 芙有さん
選考理由
年下の彼氏に向けてのメッセージカード。とにかく彼女からの圧の強さが、作品の情報量と熱量にあらわれていて、第3者からみても、審査会場から立ち登ってくるそのパワーに圧倒されました。球場を模した箱庭仕立てのカードに様々なアイデアが練りこまれていて、サブスコアボードのHBD(Happy Birth Day)などは気づけばニヤリとさせてくれる仕掛けです。ずっと眺めていても飽きない愛のあるこの世界に、賞を送ります。
小玉 文賞
冷蔵庫から愛を込めて!若生 七星さん
選考理由
野菜のユニークな表情とひざ立ちしたハイヒール姿がコミカルで面白く、個人賞ならこの作品!と、直感で感じました。実物は思っていたよりペラペラで、野菜たちがちゃんとひざ立ちをしてくれないのが残念でしたが、ぜひ改善してみてほしいなと思います。メッセージは、後ろ姿のパンツにかかれているということですか!?妙にセクシーでその点も好きですが、しかし正面は頭だけなので、違うのかもしれませんね…?
木下龍也賞
卒業おめでとう杉田 恵奈さん
選考理由
ひとつの命を引き受け、育てるということには相当な覚悟と責任感と愛情が必要だ。けれどそれを深刻にではなく、かわいらしくポップに伝えている。特に命名カードは素晴らしいアイデアだと思う。猫にあらたな名前を与えるとき、里親はあらためて覚悟し、あらためて責任を自覚し、あらたな愛情が生まれるのだ。この作品はひとつの命を守り、つなぐためのバトンだ。
コーセー賞
産んでくれてありがとう米田 菜々翔さん
選考理由
受賞おめでとうございます。会場に伺えず申し訳ありません。米田さんの今回の作品は、お母さんへの愛を感じる。押し広げないと見えないような神のおくまで模様の花を配置したり、全体としてつくりはシンプルながらも、工程の手間を感じ取ることができました。雪肌精は母娘に受け継がれるようなブランドを目指していることもあり、母娘愛をもっとも感じた作品として選ばせていただきました。コーセー宣伝部一同より。
ぐるなび賞
天国でも楽しんでます。たぶん。福永 純子さん
選考理由
この作品は、法要における素敵な企画だと思います。 この手紙があることで、法要にご参集頂いた方々が、故人に思いを馳せることができ、さらに、食材の表現が、故人の人となりに、豊かさを加えています。 もし自分の死後、息子や孫が、このようなことをしてもらえたら幸せだろうなと想い、少し涙も、こぼれました。 法要での手紙のあり方と食の素敵な表現が企画として素晴らしかったため、「ぐるなび賞」とさせていただきました。おめでとうございます。
株式会社ぐるなび ブランド戦略担当 寺田裕史
(株式会社NKB 取締役)
OAC理事長賞
お母さんありがとう戸島 双葉さん
選考理由
お母さんと手作りのお弁当。この鉄板のテーマが真っすぐにまとめられている。イラストのタッチのやさしさ、そしてあたたかさからは、毎日のお弁当に込められていた母の想いと、娘の感謝の気持ちの両方が伝わってくる。このカード受け取って、娘と二人だけで共有している“想い出”のイラストを見たとき、母はきっと嬉しいだろうなと思う。食事とは、あらためて作る人と食べる人を“愛”で繋いでいるのだなあと、ほのぼのと思い知らされる。
OAC特別賞
「結婚記念日」日本人の母とアメリカ人の父へパーシャル 麗花 ジュエルさん
選考理由
『永遠の愛』をテーマの根底に置きながら、それを切り取る視点は『今この瞬間』にあり、表現は『現在進行形』の未完成の愛となっている。絆を象徴する赤い糸が、時と共にハートマークに紡がれていくモチーフは象徴的であり、記念日という設定で、その多くが過去もしくは現在を表現しているカードデザインの中では、異色ともいえる“未来”をメッセージしている。日英のテキストとのレイアウトもバランスがとれ、完成度の高さが際立つ。