今回は、中学校4校、高校43校、
聴覚特別支援学校1校、専門学校4校、
大学34校の86校より、750点の応募を
いただきました。
厳正なる審査の結果、以下の作品が見事
受賞いたしましたのでご覧ください。
なお、今回の課題は以下のとおりです。
自由な発想で自ら課題を設定し、
自らその解決策を考えてみてください。
作品は「虫眼鏡マーク」をクリックで
拡大してご確認いただけます。
上田情報ビジネス専門学校 1年山口 千音子 / 今井 慧 / 河内 佑斗おでかけごはん
学校給食はもちろん、レストランなどのランチタイムでも食べてみたいですね。このアイデアにプラスして、規格外野菜を購入・使用できる仕組みが出来ると学校給食などはよりマッチしそうです。今を切り取りつつ、今後の展開も期待できるアイデアです。
武蔵野大学高等学校 1・2年チームMUGEN目を瞑ってても綺麗に・・・
視覚障害者の方にブラインドメークのレクチャーもあるようです。このアイデアは視覚障害の方以外にも、老齢者や病気療養中の方にも活かせそうです。いつも美しくいたいのが女性の願いですものね。
長岡造形大学 3年高田 康平運転中にうけとった感謝の数をカウントする自動車メーター
ひとの心理的側面に着目し、自分の運転に対する他者の感謝を数値化・可視化。説明の中にあるように、「ちょっとした意識の変化」が改善に繋がるというところは共感できます。
滋賀県立大学 3年北澤 いづみ視線を感じる信号
デザインアイデアで解決策を模索した例です。確かに見ちゃうかもしれません。瞬きなんかしたら余計に見入るかも。ま、そうなるとその仕組みも考えなくてはいけませんが、面白いですね。
和歌山信愛高等学校 2年林口 友美自分をもっと大切に
ヤングケアラーを課題にしたものは今までで初めてです。社会問題としてようやく認知され始めたところでしょうが、今までもそういった悩みを抱えていた人は多いはず。解決策としてはまだ弱いと思いますが、まずはそういった学生や若者がいることを理解することが必要ですね。課題として取り上げたことに感謝!
大阪大学大学院工学研究科 1年井上 陽介異世代共住応援アプリ Geneco
高齢者と学生の「共住」。高齢者の方は高齢者同士の付き合いもあるでしょうが、若い人と接する時間があればとも思っていることでしょう。このアイデアではアプリが主となっていますが、アプリを介さない方法もあるはずです。以下のサイトは、アプリを介さない取り組み例です。もう少し堀下げて、高齢者も若者も楽しく暮らせる仕組みを考えてみてください。きっと何かが見えてくるはずです。
「日本型」多世代共生の仕組み―本郷・ひとつ屋根の下
香川県立高松工芸高等学校 3年妹尾 百花ユニバーサル漆オセロ
伝統工芸でのユニバーサルデザイン。視覚障害の方以外でももちろん遊べるわけです。工芸という自らの技能を活かしたアイデア。今後は「使う人」のことを更に考えていくと工芸の枠をはみ出してくることにも繋がるかもしれません。楽しみですね。
伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校 4年新井 紗響
持運びやすく、洗いやすい日本の伝統美、竹の形状を生かした弁当箱
BANBOO
よく練られたアイデアです。実際に見て、試してみたいと思います。なお、弁当箱のタイトルがBANBOOとありますが、発想は竹から得ていますが、素材はステンレス。ネーミングはこれで良いかは要考慮かな。
ブリティッシュスクール イン 東京 1年バーンズ サラ匿名マニフェスト選挙
面白い切り口ですね。口当たりの良い言葉だけでもし当選しても、実現させないと解任などができる選挙。課題としては公約を実現する期間をどう見るかなどありそうです。なお例えば選挙ではなく、政党名や個人名を隠したアバターでWEB討論会を開催し、誰の発言に共感したかなどやってみても面白いかもしれません。相手がいると耳障りのよい発言ばかりとは限らないですものね。
京都先端科学大学附属高等学校 1年西山 海光障がい者の方々が暮らしやすくなるために
たしかにヘルプマークだけでは何の援助が必要か、わからないケースも多いかもしれません。ただしアイデアの「色を変えて」ですが、様々なケースがあるでしょうから色分けを覚えないと援助もうまくいきません。この辺りの工夫を更に考えてみましょう。
大阪経済大学 3年杉本 真友希 / 和田 萌里視覚障がい者にも見える消毒
コロナと視覚障害者の方の背景のグラフでは、ソーシャルディスタンスがわかりづらいの回答が41%、サポートの減少に関する不安が60%、その他33%(複数回答)。今回は消毒液に辿り着けるかをテーマにしており、実験も行っているようですが、本質的な課題はコロナで街を歩く人も減り、何かのときのサポート不足に関する不安。今後は課題の本質に向き合うと更に違ったアイデアが生まれてくると思います。
武蔵野大学 3年岩野 莉耶Win-Win大作戦 「フード・ロス」の解消
伝え方が面白いですね。フード福袋ですが、それこそ必要なものじゃないと捨て去れるかも。そうなると本末転倒。そこをどうするかが鍵ですね。
大阪府阪南市立飯の峯中学校 1年竹森 安寿夏環境により良い車
ソーラーカーの発想ですね。調べると太陽光発電するガラスはあるようで、自動車事故時における安全性とコスト面がクリアされたら可能性はありそうです。
名古屋高等学校 1年吉仲 貴紀ストレスフリーな病院
こちらはアイデアというより、伝え方の面を紹介したく選出しました。アイデア面はもっと使う側の本質を探って考えてみましょう。その上で、このような伝え方が出来たらいいなぁ。
大分県立高田高等学校 2年馬場 あゆむ電子マネーの活用
硬貨を電子マネーに変えるものはPocket Changeという自販機風のものがあるようです。このアイデアでは募金も出来るようにした点です。この募金をどんな組織に贈るのか等の仕組みも今後考えてみてください。
武蔵野大学中学校 3年今井 彩乃アプリで部活 ブラスバンドVersion
コロナ禍でのブラスバンド部、なかなか活動が難しい。という実体験からの発想。面白いです。青春をあきらめるわけにはいかないと、出来たら良いながテンコ盛り。課題もあるでしょうが、想いが反映されていますね。
総評
今回は中学校・高等学校の皆さんの応募が多かったのが特徴です。そして昨年はアイデアではなく感想に近いものが多かったのですが、今回は多くの方がシッカリ考えてくれました。ありがとうございます。
さて、皆さん課題を見つけるのに苦労しませんでしたか?授業で課題はコレ!と言われる方が楽かもしれません。しかし今回は、課題も自ら見つけること。課題って日頃から思っていないとなかなか出てこなかったのではないでしょうか。また課題が見つかっても、それをどう解決すればよいか、これも難しかったかもしれません。でも、この経験が皆さんを大きく成長させます。社会に出ても、この思考が大切になります。逆に言うとこの考え方を持たずにいる社会人も大勢います。
自ら課題を考え、それを利用する相手のことを考え、その人たちを取り巻く社会のことを考え、解決策を探り、それを利用する相手や社会にとっても共感できる内容か吟味し、違うと思ったらまたやり直し、行ったり来たりしながら解決策を練る。そして今回ご応募いただいたのはA3/1枚ですが、アイデアを読む側にとってわかりやすく伝わるかどうか。この部分も大事です(今回準入選でアイデアと言うよりも伝え方の部分を見てもらいたく紹介したものもありますので、ご参照ください)。
さて、コロナ禍での学校生活。なかなかうまくは運ばないかもしれませんが、いま感じていることを大切に常にクリエイティブでいてください。笑顔で楽しむために工夫してみてください。
ご応募ありがとうございました。
公益社団法人 日本広告制作協会