応募参加者数329名、応募作品数325作品、たくさんのご応募ありがとうございました。
厳正なる審査の結果、以下の作品が見事受賞いたしました。
◎ 主催 公益社団法人日本広告制作協会(OAC)◎ 協賛 株式会社宣伝会議 株式会社Too
自分で課題を発見。
そして社会をよりよくするためのクリエイティブなアイデアで解決策を提案する。
今回は応募学校数が56校(中学2・高校11・高専1・専門学校4・大学38)と過去最多。
応募総数は325点となりました。
今回は当協会の『わくわく創出部会』メンバーに審査をお願いし、予め選出した55作品を審査しました。今年も票が割れ、ゴールド賞は該当者無し、といたしました。
さて、作品を見ていきましょう。
「駅の構内に線路を描く」
これは見た瞬間になるほど!という声が多かった作品です。でも実際に困る駅ってどのくらいだろうと調べると、東京で一番地下鉄が乗り入れているのは大手町駅で5路線。次に、飯田橋駅の4路線。あとは銀座、渋谷、池袋、日比谷、霞が関、青山一丁目、九段下、日本橋、神保町が3路線。
大手町、飯田橋は長い距離を歩いたりします。また赤坂見附と永田町が繋がっていて5路線あるのですが、こちらも長い距離をあるいたりします。そんなところは有効かもしれませんね。
「傘と隣」
電車内での傘。確かに立っていても、座っていても邪魔になりがちです。目の付けどころで選出しました。
「花粉で色が変わるマスク」
こちらも目の付けどころで選出しました。多くの方が花粉で悩む時期、実際にピンクやブルーにマスクの色が変わったら、テンションが上がるかは疑問ですし、おしゃれに感じるかも疑問。また、同じ花粉症の方が花粉がついたマスクをしている人のそばに行きたいかも疑問です。しかし、色が変わったらマスクを交換など応用は出来るかもしれません。そういった観点から選んだ次第です。
「
こちらは昨年も『イベントごみ袋』というアイデアがありましたが、和装に合う信玄袋にした点を評価。ごみは出来ればその場に捨ててきたいのがみなさん本音だとは思います。イベントでごみ袋が配布されて、最初はバッグの中などに入れておくでしょうから、使用するのは何かを食べたりして出たごみを片付けるときでしょうか。またごみ以外を入れるかもしれません。その方が、持っていて恥ずかしい気持ちにはならないかも。
コスト面、実際の活用には課題はありますが、選出しました。
「自動車事故を減らすアイデア」
免許証自体が鍵になっている。なるほどと思いました。その人個人とクルマを連動させ、その人でないとエンジンがかからない。すると、レンタカーはどうするか、緊急の場合、他社のクルマを運転する際に、自分の免許では駄目。そこをどうするかなどの課題は残りますが、視点はよいと思いました。
「ぶすまほ」
A3/1枚の中に、面白い視点でメッセージを伝えています。スマホを見る姿勢がこのままでは人間を退化させると、面白い絵で表現。見続けていると、突然自分の顔が映り、おブス顔・・・。はっと驚き、その反動で姿勢がよくなる!たぶん、なったとしても一瞬でしょう。でも、こんな面白い切り口で突き詰めたら、もっと面白くなりそうです。
「運転手の健康状態を測定し事故を防ぐアイデア」
自動運転システムと、運転手の健康をも連動させることで事故を防ぐアイデア。運転前に体調に気づくことが大事ですが、突然の場合にも対応できることを考えたアイデアです。システム的に、どの段階で危険を感じるか、その人なりの基準などを設定するなど課題はありますがよいアイデアだと思います。
「水たまりロード」
トリックアートや錯視を利用したアイデア。信号無視やながらスマホも防げるとありますが、確かにその前に見入っちゃいますね。
「病院での待ち時間をちょっと幸せにする」
待ち時間をビンゴ大会にするアイデア。ひっきりなしに来るであろう患者さんの番号とどう連動させるか等々、課題は残ります。が、病院の「待ち時間」、高齢者の方だとスマホを見たりとはなかなかいかない現実があるのは事実。高齢者の方がちょっと幸せになれる何かにも今度はチャレンジしてみてください。
「怒りのダックス
省エネ対策。朝の通勤や通学、就寝時に抜き忘れを確認出来たら、省エネだけではなく、火の元の確認にもなりますね。
「節電したくなるアイデア」
怒りのダックス憤怒は、音で教えてくれて、こちらは色で節電を呼びかけるアイデア。確かに、赤くなると危ない感じがして外したくはなります。でも、日頃使っていて電源を外さない冷蔵庫などもあり、その対応製品なども考える必要はありそうですね。
「悩みに合わせた相談機関を仲介してくれる機関」
子どもには子どもの悩みがある。その通りで、本来なら家庭で解決すべき事柄も、親に問題がある可能性もあり、学校でもなかなか把握できないケースもあります。本来なら自分で頼れる人がいれば、いいのでしょうが、子どもは親に気を使ったり、我慢したりもあり、親の問題を語りたがらないこともあります。また、いじめのケースも、先のことを想像して嫌になることもあるはずです。告げ口しただろ!そんな言葉を想像もするでしょう。その辺りの当事者の心理も考えて、どうしたらよいかという視点をもって更に解決策を考えてみたら、また違った切り口がでてきそうです。
「環境にやさしいらくがき」
どうしたら街中の壁や学校のトイレのらくがきを減らせるか、という課題。でも落書きする方にとっては、水書だと意味がないかもしれません。存在を残したいのかもしれませんから。なので、この水書は、防止策ではなく、案で出ているようにもっと楽しめる方向で練っていったほうがよさそうですね。
「やスシ」
回転寿司の1店舗あたりの廃棄量は100皿〜200皿。もったいない!からの視点で、時間ごとに値下げ。廃棄基準が1〜2時間。30分経過後、10分ごとに10円値下げ。なるほど、でもそうなると新鮮なネタが食べたくなるのも人情。10円しか違わないなら、新しいのが食べたい!そんな声もあがりそうです。そんなお客様の心理を考えて、もう少し検討するのもよいかもしれません。
「動物を大切にする国をつくるために」
「ペット飼育免許」
どちらもペットを飼うに相応しいかを許可制・免許制にするもの。スイスでは理論を4時間受講、その後しつけの訓練と実技テスト、買い始めると犬税の支払い(結構高額)とハードルが高い様子。日本で馴染むのか?意図はわかりますが、ここも飼い主の心理などを考えて、更に検討していく必要はありそうです。
「ペットボトルのラベルを分別するアイデア」
同じくラベルを剥がすアイデアで小説の一説を・・・というアイデアもありました。が、こちらのほうが、内容が短く効果的かなと選出されました。恋に関すること以外にも、いろいろ応用は出来そうです。こちらは、キャンペーンなどの手法でも使えそうです。
さて、今回の応募内容を見ると、
1. ゴミ・リサイクル・節電 34作品
2. 電車関係 24作品
3. 交通(事故)関係 16作品
4. 歩きスマホ関係 12作品
5. タバコ・お酒関係 10作品
6. トイレ関係 7作品
が、多くなっています。
やはり身近なものが多いですね。それはそれで構いません。身近なものから発想を豊かにしていってください。なお、作品に対するコメントでも述べてきましたが、対象となる人がそれを利用するときの心理を、もう少し分析することも大切だと思います。人はそれを使ったら、どう思うんだろう。自分だったらどう思うんだろう。果たして本当に使うのか?使うのは女性、男性?年代は?いろいろと想像を膨らませてください。
例えば『子どもの貧困問題』が気になったとします。子どもは自分の家が貧しくても、友だちにそれを言うのかどうか。親や家庭に問題があったとしても、明るいふりをして接しているかもしれません。
そうすると本当のことは見えにくい。その彼、彼女は我慢しているのかもしれません。
そこをどう見るか。そして、その彼、彼女は進学したいかもしれませんが、お金の問題が出てきます。奨学金を借りたら、卒業後に返していく必要が出てきて、それも負担になります。
お金の問題をどうするのか。
様々な問題を見つめて、考えてみましょう。もちろん、様々な経験を積んでわかってくることもありますので、いまの自分(自分たち)の出来うる範囲で、一生懸命考えて課題を解決するトレーニングをしていきましょう。それもあくまでも前向きに。
これは、働き始めてもずっとついて回ります。
さあ、前を向いていきましょう。
公益社団法人 日本広告制作協会 事務局長 三上峰生