第9回 学生アイデアで社会をより良くするコンテスト アイデアで自分も周りも元気に!

受賞作品発表!

今回は、中学校1校、高校28校、専門学校6校、大学50校の85校より、過去最高の961点の応募をいただきました。
厳正なる審査の結果、以下の作品が見事受賞いたしましたのでご覧ください。
なお、今回の課題は以下のとおりです。

課題

自ら課題を見つけ、自らその解決策を考えてみてください。
今年でしたらコロナで感じたことでももちろん良いですし、常日頃から思うことでも何でも構いません。

◎ 主催 公益社団法人 日本広告制作協会

受賞作品

OACゴールド チェンジメーカー 1作品

該当者無し

OACシルバー チェンジメーカー 1作品

該当者無し

OACブロンズ 
チェンジメーカー「宣伝会議賞」 3作品

  • 青山学院大学 3年清水 晃基手話×代弁アバター

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    聴覚障害を持つ方には、UDトークというアプリをオンライン会議システムと連携させ、話している文字を画面上に表示させる方法があったり(ZOOM画面とは別にiphone等での表示)、オンライン会議システム自体に発言した文字を表示させるものも出てきたりと、既に見える化を実現させるものは出ています。また聴覚障害者の方が発言する際は、ZOOMのチャット機能を使うことなどで対応可能かもしれません。
    さて、このアイデアではアバターを用い、発言しようとタイピングすると「考えていますポーズ」もしくはアバターが何かを書き込み始めたら、お、そろそろ発言のタイミングだと参加している方も確かにわかってコミュニケーションを取りやすいかもしれません。実現には、まだまだハードルが高いかもしれませんが、可能性を評価しました。

  • 京都学園高等学校 1年別所 公輝資格が不自由な人のための信号機

  • コメント

    視覚障害者の方の杖には、センサー機能を搭載させ障害物を感知すると振動で使用者に知らせたり、ナビゲーションシステムと連動させ音声で道順を知らせてくれるなどの機能を持つものもあるようです。また視覚障害者の方向けにスマートフォンで信号の色を音声や振動で伝え道路横断を支援する機器を、警察庁が2021年度に約2000基の信号機に設置する方針を決めたというニュースもあります。
    このアイデアは、近隣住民の要望で音が出る時間を制限している信号でも、ビーコン搭載の杖で音を出そうという仕組み。その当事者だけに信号の色を伝えるのも必要ですが(音響式信号機は全信号機の10%強:令和元年調べ 警察庁)、音が出る仕組みだと周りの方にも認識できてより安全性が高まるのではないかという観点を評価しました。

  • 滋賀県立大学 3年谷 利華音スポーツ観戦や音楽ライブなどで
    必ずマスクを着用してもらうアイデア

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    チケット代わりのマスクですが、QRコード付きのマスクがあり同じ発想で作られているようです。主催者側から発送する送料の件など、費用的な問題もありますね。
    しかし、考え方を少し変えると新型コロナウイルス収束後の会場エチケットとして、チケットを渡したらこのマスクをもらえるなど、ファンだからこその協力機能は果たすのかもしれません。今後コロナが収束しマスクを外した生活に戻ったとしても、大規模なスポーツ観戦や音楽ライブ空間での新しいエチケットとして演者も観客もお互いにうつらない、うつさない、且つ楽しんで経済も回してくそんなことを想像させてくれたアイデアとして評価しました。

Too奨励賞 1作品

岐阜県立土岐商業高等学校 3年村松 叶望障害者専用駐車場の使い方を見直す!

コメント

障害者手帳を登録するアプリは存在するようです。
また、福島県や栃木県ではアプリではありませんが、 「おもいやり駐車場」という制度をつくり実施しています。
さて、このアイデアは市役所に限定した駐車場問題を取り上げていますが、アプリである点から、普及次第で更なるサービスも考えられそうです。
今後更にアイデアを深堀していければ、障害者の方にとっての生活に役立つものになる可能性があります。今後に期待します。

準入賞 12作品

  • 九州大学 2年内尾 良太朗気になる木

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    コンセプトにある、親の関心を得たいから何かを拾ってくる。そこはどうかなぁとは思います。
    子どもの持つ好奇心で拾ってきそうです。好奇心があって自分で色々と試したくなるという視点が良いと思い、選考しました。 アート的な感覚も磨かれそうです。

  • 京都西山高等学校 2年和多田 晴菜冷蔵庫から無駄をなくそう!

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    日立からスマホと連携させる冷蔵庫が販売されており、専用のアプリで賞味期限も管理できるようです(バーコードではなく、撮影した商品の購入日等の登録は必要)。
    同一のアイデアですが、家庭内での気付きからの発想ですね。

  • 滋賀県立大学 3年坂上 晴穂農家の人々への支援を促すアイデア

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    台風や野生動物による農作物の被害。ニュースでよく耳にします。そしてこのアイデアでの支援の仕組みなら、ごく自然に協力したくなりそうです。
    生産者の方の写真、被害状況などのメッセージも応援したくなる要素ですね。

  • 滋賀県立大学 3年伊藤 美月時間と予定を同時に把握しやすくする掛け時計

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    時間や季節がわからなくなるのを見当識障害というようです。
    国立障害者リハビリテーションセンター研究所福祉機器開発部では電子カレンダーの導入を勧めたり(日付を大きく、その隣に今日にスケジュール)、また時間がわからなくなると薬を飲んだかどうかも高齢者の方の多くは困っているのかなぁ思ったら、カレンダーと薬入れをセットにしたカレンダーがあったりと、既に色々な工夫があるようです。しかし、このアイデアは一般の私たちに気づきをもたらしてくれました。

  • 滋賀県立大学 3年川端 あい窓のカギを忘れずに閉めるアイデア

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    これはデザインで解決しようとするアイデアですね。
    確かに不安解消のための「見える化」は大事ですね。
    その上で、声出し確認をしたら、閉めたかどうかの不安感は減少しそうです。
    なおどうやってカギをかませるのかの説明があれば尚良かったと思います。

  • 相模女子大学 3年石塚 恵奈思いやりの心でトイレを清潔に

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    トイレをいつもきれいに使っていただきありがとうございます。のトイレットペーパーバージョンですね。 これを「次の人のために替えてください」と、これからやってほしいことが書かれているのとは印象が違います。
    「替えないと上から水が降り注ぎます」だと、面白いけどちょっと脅迫っぽいかな。
    ちょっとした日常のアイデアで気持ちよく使いたいですね。

  • 東洋英和女学院大学 3年鈴木 恭佳生まれて○○日記念日を逃さないアイデア

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    これはプロモーション的なアイデアとしては良いと思います。
    ネット上には、生まれてから何日目かを調べるものがありますので容易に調べられますが、自分が生れて何日目かということは考えたことがなかったので、新鮮に映りました。
    さあ、これを読んでいるあなたは生まれて何日目?

  • 横浜女学院高等学校 3年土井 彩優奈商品を入れたら合計金額をその場で表示「お買い物かご」

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    ユニクロではRFIDという技術を用いて商品コードを読み取り、精算するシステムを導入しています。
    このアイデアは買い物の途中段階で現在の金額がわかるというのは新しい考えですね。
    なお、カゴ自体の強度や取扱方、そして会計の段階をどうするかの課題は残ります。
    また、レジのない店「Amazon Go」というのもありますので調べてみてください。

  • 佛教大学 2年松野 佳祐新型コロナ対策のマスク着用

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    「マスクを付けられません」カードやバッジの配布は、既に各自治体で行っています。
    このアイデアは、カードやバッジをマスクにして理解を促進させようとする狙いですね。
    但し、やはり「○○でマスクを付けられません。ご理解ください」などの文章は必要でしょうね。

  • 女子美術大学 3年井原 優希ちょっとの時ティッシュ

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    確かにちょっとしたときに1枚ではもったいないかもしれません。その視点で評価しました。
    しかし、そんなときのために1枚のティッシュを半分にする用具をティッシュボックスに取り付けるものもあるようです。
    また、ポケットティッシュをそんな用途に使っている方もいるかもしれません。
    もう少しデザインやちょっとの頻度等、深堀していく必要はありそうです。

  • 京都西山高等学校 2年高橋 こころ押してから30秒間音楽が流れるボトルポンプ「音プ」

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    新型コロナウイルスで、小さな子どもたちに手洗い習慣を身に着けさせる工夫。
    なるほど、と思ったのですが、ボトルの押出部に装着するタイプで2010年にアンパンマンなどのテーマ音楽やキャラクターの声が出る商品がありました。
    今だからこそ広告すべき商品かもしれません。
    ということで、目の付け所が良かったアイデアです。

  • 青山学院大学 3年小林 茉由ぼやっとオピニオン

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    オンライン会議あるあるかもしれませんね。
    オンライン会議だと発言を聞くために待つ時間が出来ます。
    また、進行役が「(相手を指名せずに)何か意見はありますか?」という発言だと、誰も発言をしなかったりもします。
    そんなときは、この仕組みを使ってどんどん意見を出していくことも出来るかもしれません。
    ぼやっとオピニオンでなくても、使い方次第で色々と出来そうです。

学校別応募内訳はこちら

総評

今回はコロナ禍にも関わらず過去最高の961のアイデアが寄せられました。 今回の特徴は、高校性の応募が多かったことです。学校の授業で取り上げていただいたところが多く見受けられました。
さて、自分で課題を発見し、自分でその解決方法を模索していくこと。
チャレンジしてみてどうだったでしょう。アイデアって常日頃から意識していないとなかなか出ませんよね。
経験や記憶も大事かもしれません。また逆に、全く知らないから好き勝手に、空想や想像しながら考えることもあるかもしれません。
本コンテストは、若い時代から自ら考え、解決策を練る経験をしてもらいたいと考えて始めました。
発想やアイデアは例えAIが進化してもまだまだ必要とされる部分ですし、将来どんな仕事に就こうとも必要とされることだと思い実施している次第です。

さて、今回は受賞作でも見受けられる通り、世の中に既にあるアイデアも多く見受けられました。
もちろん、真似ではなく考えたものが結果的に既にあったというのが事実だと思います。
しかし、今後はアイデアが出た段階で調べてもらえたらとは思います。
また、一つの課題が決まったら、一案のみではなく、色んな方向からアイデアを出してみましょう。
その上で、友だちと相談しても良いですし、一つの案に絞り、今度はそれを深堀していきましょう。
本当にこのアイデアで人はそれを使ってくれるのか、世の中の役に立つのかなど、考えてみましょう。 ここでは、使う側の立場に立っての想像力も必要になります。

使う側の立場という観点から言うと、今回手描きの作品も多くありましたが、それでも良いので、もう少し見る(読む)側の立場も想像してみましょう。
どうしたら、そのアイデアがわかりやすく伝わるのか、読みやすいのか、そんな見た目も大切です。
私たちも企業などへのプレゼンテーションの際は、結局は内容勝負ですが、その提案資料が独り歩きしても誰もがわかる内容であることに注意を払います。

また、提案資料と書きましたが、今回の作品の中に数は少ないのですが、提案やアイデアではなく、感想や事実でしょうと思えるものもありました。
コロナだから手を洗いましょう!はい、そうですね。これで終わってしまいます。

今後は下記の点にもご考慮ください。

● 本当にそれが社会課題として解決すべきことか
● 「なるほど」と思わせるアイデアがあるか
● 独自性があるか(すでにある商品やアイデアは除外する)
● 具体的で実現性があるか
● 社会に浸透させるストーリー性がある

さあ、コロナで働き方も変わってきて、その代わりに家庭を見直す機会が生れたりと、様々な変化があります。
若い皆さんは、その変化に柔軟に対応していって新たな時代を創り出す意気込みで、自発的に動いていきましょう。

ご応募ありがとうございました。

公益社団法人 日本広告制作協会