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OAC 社団法人 日本広告制作協会
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■経営部会セミナー

『寺田倉庫見学会』

中野社長の「社員は部下ではなく同僚」という考え方のもと、多様な意見に耳を傾けながら、「おもちゃ箱のような会社」を創り上げている寺田倉庫。天王洲アイルの街の雰囲気づくりにも一役買っており、その業務内容は従来の保管業務の域を超えて、様々な分野に広がっている。
会社が赤字だった時代から現在に生まれ変わるまで、全ての実務改革に携わった川島氏に現在とこれからのお話を聞いた。

寺田倉庫について

執行役員の田嶋氏より、会社案内動画を見ながら寺田倉庫の成り立ちから現在までをご説明いただいた。寺田倉庫は1950年、保存保管業として天王洲で業務を開始。当時の天王洲周辺は、島全体が倉庫地帯の埋め立て地であったが、現在は倉庫業のみならず水辺という立地を活かした不動産活動をしている。限られたエリアにおいて、地域企業や地元、行政と連携しながら天王洲の街づくりを担っている。

ロゴマークに込めた想い

寺田倉庫の目指すものとは、世界遺産・正倉院の「蔵」を手本として価値を未来へ、世界へと繋ぐ「蔵」の設計者として、また番人として、余白創造のプロフェッショナルを目指している、とのこと。
倉庫という空間にいかに価値を付けるかという考えの下、「 」が寺田倉庫のロゴマークになっており、このカギかっこの中は余白だがその余白にこそ価値があると考えている。余白創造のプロフェッショナルであり、25年前に再開発をはじめて現在はアトリエやワインセラー、ミュージアム、レストラン、シェアオフィス、データセンター等々、多岐に渡る事業展開をしている。

業務事例

  • ・ストレージサービス
    倉庫業の基礎である、財産保管サービス。多岐に渡る貴重な品々を、最先端の技術を駆使してクライアントから預かっている。ワイン、アート、メディア、等々。
  • ・貸スペースサービス
    カルティエやフェラーリといった高級ブランドの商品発表、上顧客向けの展示販売等に活用する場所を提供している。
  • ・ミニクラ
    誰もが箱単位で持てるクラウドストレージ。個人保管の特性を利用し、ヤフオクや各種サービスと連携するサービス行っている。
  • ・建築倉庫ミュージアム
    建築物の模型を展示しながら保存する、新しい発想のミュージアム。日本では唯一の建築模型専門の展示・保存施設。
  • ・T.Y.FARM
    東京・青梅で野菜を育成し、江戸野菜等の種の保管をし、有機農法と自然栽培を通して街づくりに貢献している
e.t.c.

いずれも寺田倉庫に預けることで、価値が落ちない、むしろ高まる環境を確保することで高付加価値サービスを提供することができているとのこと。

施設見学

説明をいただいた既存の倉庫を改装して活用している貸スペースや、セキュリティ上普段は足を踏み入れることができないストレージサービスのフロア等を見学。海外からのセレブをもてなす為につくり上げたという一風変わったモダンな和室等、どれもが倉庫業の概念を根本から覆すような高付加価値の施設を目の当たりにした。
本社ビル以外にも、和の画材を中心に圧倒的な素材を集めた販売施設PIGMENTや、町と一体となって整備したボードウォーク、各種店舗施設やレストラン等を見学させていただいた。

川島氏からのメッセージ

最後に、中野社長の右腕として寺田倉庫をけん引してきた川島氏からいただいた言葉を記載しておきます。以下。
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寺田倉庫は、「預かる」という着眼から、各種の付加価値を企画する会社となっております。御客様から預かる。そこの Want & Needs を掘り下げて、そして提案することを世界に向けておこなっております。
寺田倉庫が実施していることは、誰でも実行可能なことです。

なにが異なるのか?

それは、「強い企業を作る」というコンセプトです。
京都の100年企業と同じ理念です。
継続性のある企業、そのためには「強い企業となる」

全国、世界制覇、売上一番、シェア一番など等ではありません。
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各種施設やサービスはもちろんのこと、懇親会の場でも川島氏と田嶋氏から数々の刺激的なメッセージを受けた貴重な見学会となった。尚、今回のような見学会はセキュリティ上の観点から、今後一切実施することはできなくなったそうである。

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