応募総数209作品、たくさんのご応募ありがとうございました。
厳選なる審査の結果、以下の作品が見事受賞いたしました。
【課題】
ミルキーをシェアしたくなる広告
※夏以降、パッケージが変更になる場合があります。
若い世代の女性たちがニューバランスのアパレル/シューズでランニングしたくなるような広告
【課題】
DHC初のエナジードリンク「DHC Youth」の“青”を自由に用いた若年向け広告を提案せよ。
エナジードリンク『DHC Youth』は延べ2,000人の学生の意見を聞いて作ったドリンク。
パッケージも美大生が制作しています。学生がテスト前やスポーツの時に頑張っている際に手助けとなるドリンクにしたく、2019年5月に商品化しました。
澤田 星 / 広告デザイン専門学校
母親の愛情を連想させるようなキャンディを目指し、「ママの味」をキャッチフレーズにして発売されたミルキーが、誰にとっても、“美味しい”だけではなく“美味しいをシェア”することで、“幸せ”も一緒に届けるキャンディとして皆さんの中に印象付けられていくと良いなという希望を込めて、選出させていただきました。
カラフルでポップなデザインも、楽しい学校の休み時間のようなワンシーンを想起させ、背景のクローバーも幸せを連想させるものが用いられ、ミルキーの黄色の個装柄と連動しているのも良かったと思います。
佐藤 晴香 / 日本工学院八王子専門学校
実在しないカラーリングのランニングシューズを描くことで、シューズは頼れる相棒であるという心象風景がうまく表現された作品でした。
周戸 夏音 / 京都市立芸術大学
本商品は「学生」や「スポーツ」と非常に相性の良い商品で、我々が行っている協賛活動でも様々な学生のスポーツシーンに入り込んできました。この作品は「DHC初のエナジードリンク「DHC Youth」の“青”を自由に用いた若年向け広告を提案せよ。」という出題者の意図をしっかりと汲み取り、YouthとDHCの特徴である“青”を空と、部活動の女子で表現した広告になっていて、若年層の心に響きそうな期待が持てる素晴らしい作品だと思います。
井上 紗菜 / 僕達はまだ終わらない
学生の皆さんの日常である「授業」や、「テストのポイント」という場面を使って“ミルキーをシェアする”こと表現し、さらにミルキーをコミュニケーションツールとして浸透させるために“シェアミルキー氏”としてキャラクター化し、『ミルキーをシェアする』というメッセージを広めていこうとする意図も感じられました。
パッケージにペコちゃんがいることから、女の子のイメージがあるミルキーですが、“シェアミルキー氏”として、男性と化していたところも面白さがありました。学生の皆さんならではの発想で、特に若い世代の興味をひく作品に仕上がっていると思い、選出させていただきました。
※この映像は非公開です。
小田島 奏葉 東京都立工芸高等学校
「ランニングしよう」
ランニングをする目的は「ファッション」や「生活のリズムのため」いろいろありますが、単純に「ダイエット」や「リフレッシュ」のような緩いハードルで始められるよということがスピード感をともなって表現された作品でした。
小田島 奏葉
東京都立工芸高等学校
※この映像は非公開です。
小田島 奏葉 東京都立工芸高等学校
「青く染まれ」
映像と音楽のマッチングが素晴らしく、さわやかで素朴な出演者のキャスティングも素晴らしいと感じました。
海や空などを随所に盛り込み、一部を青く加工する等、全体的に「青」を意識して作りこまれていて出題者側の意図もしっかり理解しています。
エナジードリンク=つらい時に頑張るものという従来のイメージではなく、青春の一コマをさりげなく彩ってくれるようなイメージも新しく、新鮮な素晴らしい映像広告だと思いました。
小田島 奏葉 / 東京都立工芸高等学校
真鍋 綾
京都市立芸術大学
唇の右端から舌をのぞかせた、ペコちゃんという少女は何者なのか。
彼女は不二家そのものであるという意見に反論する人はいないだろう。
そして、彼女はミルキーのフレイバーと分かちがたく結ばれている。
いうまでもなくペコちゃんは不二家という企業とその商品、店舗などのシンボルだ。
あたりまえのことだが、ブランドとは企業や商品側にはない。
生活者の心のスクリーンに投影される像そのものに他ならない。
その力学を合気道の技のように拝借して、シェアという今様の行為と結び付けた。
この手はもう使えないからねと伝えつつ、作者の成長に期待したい。
林 颯太 / 日本デザイナー芸術学院
1951年生まれのミルキーは、三世代にわたり愛されているキャンディです。
今の学生の皆さんにとっても、あの赤いミルキーの袋で舌を出すペコちゃんの印象が強く、「ミルキー=ペコちゃん」と認識されているんだなと改めて感じることができました。
またミルキーといえば、ひねり個装と呼ばれるキャンディらしい愛らしいフォルムを思い浮かべる方も多いとは思いますが、昔からつづくリアルなミルキーによる友達との今のコミュニケーションを、デジタルネイティブな若者が自分たちの言葉として紡いで行く様は、さらに次の世代、未来のミルキーに向けて気持ちを新しくしていくような勇気をもらえる作品であると思い選考させていただきました。
浜野 那緒
筑波大学
こちらのシリーズ作品は、それぞれに上手にターゲットのインサイトを掛けて商品の特徴を端的に表現されていました。
シンプルで分かりやすいとてもキレイな作品でした。
鈴木 有朔子 / 広告デザイン専門学校
鈴木 有朔子 / 広告デザイン専門学校
鈴木 有朔子 / 広告デザイン専門学校
飯岡 萌音 / 日本大学
清水 日由里 / 和光大学
今回は209点(グラフィック172点・映像37点)の作品が寄せられました。
今回も課題提供企業の方に審査をお願いいたしましたが、課題に沿っているかは当然として、各企業とも商品や企業のブランド感にあっているかも気にされていました。
さて、映像作品においてニューバランス、DHCとダブル受賞となった小田島さんの作品ですが、既存の歌手の方の楽曲を使用されていたのでこのHP上では非公開となっています。
どちらも音楽の使い方が秀逸で映像とも非常にマッチし、商品の世界観を巧みに表現していました。
本来なら、著作絡みで選考から除外することも考えられましたが、その表現力で今後も活躍してほしく、受賞にいたりました。
映像作品の不二家ミルキーのミルキー氏を考えた真鍋さん。こういったアイデアを盛込むのも楽しいですね。
横でニコッとしているペコちゃんとなかなかシュールです。今後も、こんな発想力で皆さんを楽しませてください。
グラフィック作品は、受賞された作品、佳作の作品以外でもなるほど!と思えるものが、今回は多く寄せられました。
以前も記しましたが、一枚の絵で共感を得たり、納得できる作品を創るのはなかなか大変です。しかも、パッとみた瞬間で心をつかむのって大変ですよね。
でも、今回は皆さんそれに向かって努力された作品が多かったのは嬉しいことです。
今後も、独りよがりにならずに努力して自分を磨いてください。
最後にOAC賞ですが、当協会のクリエイティブ委員会メンバーがああでもない、こうでもないと選んだ作品です。
キャッチコピーが小さくない?キャッチを置く場所、なんでここを選んだんだ?惜しいなぁ。なんて声も上がる中、でもこの作品を完成させる努力は買えるよね。そうそう、女性がランニング用のタイツ履いてるけど、このタイツの表現なんて頑張っている!等々、意見が出て、最終的にこの表現でチャレンジしようとした努力と、今後に期待してOAC賞となりました。
さて、来年2020年。皆さんはいろんな分野で、どう自分を表現していきますか。
皆さんの活躍を期待しています。
審査員長コメント
世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ報告書によると、
日本の順位は対象153ヵ国中121位で、G7では最下位になるそうだ。
しかし、ランキングとは関係なく、活躍している女性はあなたの近くにもいる。
自分自身を美しく、健やかに、知的にプロデュースして前進している。
女性たちの知性と頭脳と筋肉は、ますます世の中を変えていくだろう。
ダブルトーンでまとめられたグラフィックのシューズは、女性と一体だ。
寡黙なイメージを描きつつ、主体はあくまでもひとりの女性だ。
控えめにレイアウトしたコピーを語る女性をイメージしてみる。
きっと、ニューバランスのシューズで次々と男たちを追い抜いていくのだろう。