コロナ禍となって3年目となります。人と人とのリアルな触れ合いを奪う新型コロナウイルス。この間、全ての活動がオンラインによるものと変化しました。オンラインには慣れても来ましたし、働き方も変化しています。家族との接点が増えるなど、良い側面を見出すキッカケにはなりましたが、閉じた世界に入ったような印象もあります。 コロナの感染が広まり、「離れていてもつながろう」の言葉を打ち立て、経営支援の情報提供や各種セミナーなどを開催してきました。物理的な距離感はオンラインでも解消出来ましたが、ここにきて心理的側面における「つながり」が求められている気がします。この部分を掘り下げて、本年度は「理解と共感を育む」ことをテーマといたします。 個々の事業においても同様に、セミナーを聴いた方が共感できるのか、三陸鉄道のカレンダーを購入された方が近い未来に実際に三陸を訪れようと思うものになっているか、街で一行タクシーを見かけた方が「よし、今日も頑張るか!」と思ってもらえるのか。常に本テーマに沿ったものになっているか、確認しつつ進行してまいります。
お互いが理解し合え、共感できる世界の再構築のために、邁進してまいります。
※ なお本年度も新型コロナウイルスの影響にて実施困難なケースが出てくる可能性もあります。 ご了承ください。
クリエイティブを活かし、育む (クリエイティブ・ボランティア事業) |
公益 | 収益 | 共益 |
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三陸沿岸支援カレンダー制作 | ○ | ||
「ココロをつなぐ一行タクシー 人と街にエール」 (東京ハイヤー・タクシー協会とのコラボレーション) |
○ | ||
想いを伝えるカードデザイン大賞 2022 | ○ | ||
学生広告クリエイティブアワード 2022 | ○ | ||
学生アイデアで社会をよりよくするコンテスト 2022 | ○ | ||
デザイン思考の啓蒙 | ○ | 若手クリエイターと共に社会的課題解決を行うために! その仕組みづくりと実践 |
○ |
経営と人材の育成のために | |||
ヨコの繋がりを再構築し、経営課題解決のための仕組みづくりとその実践 | ○ | ||
若手クリエイターを中心としたデジタル系セミナーの開催 | ○ | ||
学生支援セミナーの開催 | ○ | ||
講師派遣・学生広告団体(東広連)支援 | ○ | ||
経営状況等各種アンケートの実施とその共有 | ○ | ||
広告関係団体との情報交換 | ○ | ||
各委員会・理事会の開催ならびに OAC50 周年に向けて | ○ | ||
会員企業相互の発展のために | |||
CREATOR 誌の監修 | ○ | ||
E&O 保険 | ○ | ||
会員間のコミュニケーションのために(ビジネス交流会の計画) | ○ |
その他、内閣府・経済産業省等からの情報提供や意見交換などを通して得た内容も 会員社の皆さまに提供してまいります。
昨年は東日本大震災で被災した岩手県大槌町への10年に亘る支援から三陸沿岸の市町村を対象にした支援とすべく、三陸鉄道とコラボレーションし会員社ならびに広く一般から三陸鉄道と沿 線風景を描いたイラスト・絵画を募り、カレンダーに仕上げました。沿線支援と同時にコロナ禍での観光客数の減少を受けた三陸鉄道さん自体の支援にも繋がりました。本年も三陸鉄道沿線の10市町村の風景を題材に、沿線市町村ならびに三陸鉄道の支援を継続いたします。コロナ禍ではありますが、「いつかは三陸!」そのように思っていただけるよう今後の観光促進を図り、地域活性化を目指してまいります。
2019年「ココロを運ぶ一行タクシー 東京物語」と銘打ってタクシーにまつわるコピーを1行(17文字以内)で表現するコンテストを実施。車体ボディへ1行コピーをラッピングし東京を50台のタクシーが走行しました。しかし2020年、2021年とコロナ禍で実施することが出来ませんでした。そして 2022年、タクシー業界もまだまだ大変な状況ではありますが、この2年間にわたり疲弊した全ての方々に『エール』を送りたい。タクシーに書かれた 1 行コピーを見て、街行く人が少しでも元気になれるよう応援したい。そんな想いが、東京ハイヤー・タクシー協会様より寄せられました。東京ハイヤー・タクシー協会様と打ち合わせを重ね8月の「タクシーの日」に向けて進行します。『クリエイティブのチカラで社会を元気に』すべく、多くの方がこの取り組みに参加していただけることを願っています。
「想いを伝えるカードデザイン大賞」は手作りのカード実物で審査するコンテスト。このカードデザイン大賞は、全国の学生の方、一般の方の応募が多いのも特徴です。コロナ禍も 3 年目に入りオンラインの生活にも慣れてはきましたが、鬱々とした感情になっている方も増えている気がします。そんな今だからこそ、多くの方の様々な想いを、真に心に伝わるコミュニケーションの在り方を問う機会になるよう推進してまいります。
実際の商品を題材にして課題解決の能力を若い時代から体験してもらおうと、課題企業の協力の下に開催しています。届ける相手のこと、課題の本質を理解する段階を踏み、その上で表現に入ることの重要性を理解して取り組んで欲しいと願っています。よりコミュニケーション力を身に着けていくキッカケづくりの場として定着させ、本アワードの更なる充実を図ってまいります。
自ら社会問題に関する課題を設定し、その課題の解決のためのアイデアを導く。そんなクリエイティブな行為を若いうちから実践してもらう機会とすることにより、今後の人生に役立ててもらいたい。昨年は応募時にデザイン思考の「考え方」を提示したせいか、一昨年とは異なり、考えた作品が多く寄せられた印象です。なお、今後は良いアイデア作品を現実のモノとして世の中に出せないかを課題に、「デザイン経営」セミナーでお世話になった特許庁等専門家の意見も取り入れつつ、更に充実した内容にしてまいりたいと思います。
先に掲げた学生広告クリエイティブアワード、アイデアで社会をより良くするコンテストでは、応募される作品の 7,8 割近くは一次選考で除外されます。届ける相手のことを理解していない、課題に沿っていない(企業の抱える悩みの本質を深堀していない)ことが原因です。この考え方を今後の若い世代に伝えていくことは、「社会のつながりを担い、理解と共感を育む」機会になると思います。OACでは今までも小学校を中心とし、その活動を行ってまいりました。このコロナ禍で実際に足を運べない現状ではありますが、引続きその想いを抱き実行に移していきたいと思います。
上記項目以外にも、SDGsに関すること、子どもの貧困問題、ヤングケアラーなど取り組むべき課題は多数存在しています。当協会で行っているクリエイティブ・ボランティア活動はそれに向けて柔軟に対応していく所存です。また、特に若手クリエイターへの参加を促し、彼らにクリエイティブでの課題解決の重要性を認識してもらい、その実践に向かいたいと思います。
昨年度の経営委員会ではオンラインでの意見交換などを活発化し、コロナ禍での営業手法、新規事業の取り組み、自社の取り組みを紹介するメルマガのあり方(自社ブランディングのあり方)、そして「デザイン経営」など会員社のみならず広く一般の方とも様々な課題について話し合ってきました。しかし一方では、オンラインならでは課題にも直面し、会って雑談の中から生まれる要素をどうすべきか悩んだ年ともなりました。本年度は、従来経営委員会で培われていた「つながり」を再構築するべく模索し、更に個々の課題を解決すべく取り組める仕組みをつくり上げていきたいと思います。
昨年度は、動画編集とAdobe Creative Cloudの最新事情について学ぶ機会を設けました。本年度に関しても、アンケートを実施したところ Illustrator・Photoshop の最新情報・作業効率アップ、動画編集、WEB デザインのトレンド、AR/VR の実例と今後等、関心の高い分野が寄せられました。仕事の作業効率とデジタル分野のニーズの高まりが伺えます。このようなセミナーを基軸に、更には経営委員会でも持ち上がっているように、若手同士の「つながり」の部分をどう構築していくかも模索していきたいと思います
昨年度はクリエイティブの仕事に関することと、就活(ポートフォリオ)に関してのオンラインセミナーを開催いたしました。先に掲げた「デザイン思考」の考え方をベースにしつつ、より多くの学生が課題解決に向かう意識を醸成しつつ、よりクリエイティブなチカラを発揮できるよう、本年もオンラインが主体となるとは思いますが、尽力してまいります。
専門学校の学校関係者評価委員会・教育課程編成委員会への参加。ならびに講師派遣依頼への対応を行います。また、東京学生広告研究団体連盟(東広連)活動の支援(ワークショップやセミナーの開催)ならびに同団体の学生広告展の審査協力を行ってまいります。
昨年度は撮影時のコロナ対策、インボイス制度の取り組み状況、価格転嫁状況、セーフティネット5号に関する売上状況等のアンケートを実施してまいりました。本年度もその必要性に応じ、各種アンケートを実施することで課題に対する意識を醸成しつつ、その結果を共有していきたいと思います。
広告関係 23 団体との情報交換も全てオンラインまたは電話やメールでのやり取りが中心となっています。ここでも従来の「つながり」の部分が課題となっていますが、各団体とも様々な取組みを行っていますので、ここで取り上げられた有益な情報は共有出来るよう努めてまいります。
各委員会・理事会は、コロナ禍にて全てオンラインまたは事務局とのハイブリッド方式での開催となっています。オンラインでの開催は物理的距離の問題はクリアできますが、逆にワイワイガヤガヤと話し合った従来とは違うためか、参加人数が減っている側面もあります。この課題をどう解決していくかを検討しつつ、より充実した委員会活動にしていきたく思います。また、今後の広告制作業界の魅力や価値はどうあるべきか、こちらも併せて考えてまいります。なお、昨年より OAC 設立 50 周年に向けた準備を開始しましたが、引続きそのあり方を検討しつつ、より具体化していきたく思います。
毎年 12 月に宣伝会議社より発刊している CREATOR 誌の監修。自社ブランディングを捉え直す機会として、そして自社をアピールする機会として会員各社にとっては貴重な場となっていると思います。また学生にとっては制作会社を知るために、そしてクライアントサイドはパートナー探しのための情報源として活用されています。今年度は CREATOR2023 として発刊を予定し、内容のより一層の充実を図ります。
E&OとはErrors「過失」、Omissions「怠慢」の略語で、職務の遂行上の過失や怠慢によって顧客等の第三者に経済的な損害を与えた事に起因して法律上の賠償責任を負う事によって生じた損害を補償します。データ入力ミスや著作権に関して活用され、現在 24 社の会員社が加入。新たに加入を検討される方は事務局までお問い合わせください。
コロナ禍の 2 年間、新たに会員になられた方々との交流を目的に開催していたビジネス交流会もこの2年間開催出来ていません。2022年度はぜひともリアルでの開催を計画いたします。オンラインに慣れたとはいえ、どこか閉じた世界にいるような感覚もあります。本来のコミュニケーションを取り戻すためにも、実施に向け邁進いたします。
コロナ禍にて2年間にわたりオンラインでの委員会活動が続きました。オンラインでのやり取りにも慣れ、距離・移動時間等の問題も解決されました。しかしその一方、雑談が出来ない、またコロナ以前にはできた交流が出来ず、何気ない会話の中から刺激を受けていた部分も減ったとの声も聞きます。それではとハイブリッド方式での開催案内を流しても、やはり今のところはオンラインを選ぶ方が多いようです。各社ともリスク回避も考えているでしょうし、在宅勤務の関係等もあり2022年度もこの傾向は続くかもしれません。このような状態の中、各委員会とも今まで以上に「参加して楽しい」・「参加して刺激になる」そんな面白さを模索しています。
皆さまも「こんなテーマで話し合ってみたい」等のご意見をお寄せいただき、共に活気あるOAC活動にご協力ください。