来年2024年は、OAC創立50周年。従来培ってきたクリエイティブ・ボランティア活動(クリボラ)や、会員社間のヨコの繋がりを構築する活動など良い面は残しつつ、更なる一歩を踏み出すための検討ならびに実践を重ねる1年にし、その本質に基づき事業を展開してまいります。OACの経営者層も幅広い年代がいらっしゃいますが、50代~60代半ばがボリュームゾーンかもしれません。
その方々の会社運営の一助になり、今後を支える人材の育成をサポートする存在になれるよう努めてまいります。
人材育成面に関しては若手・中堅社員(クリエイター・プロデューサー等を問わず)の育成と、そのモチベーションの向上に主眼を置き、各社の発展をサポート、また今後のOACを牽引する人材を見い出し、更なる活性化を進めてまいります(従来通り経営者ならびに会社運営に役立つ内容は継続しつつ、次世代の育成に主眼を置く活動に努めます)。
■デザインの価値を再認識し、更に向上させ、広告会社、コンサル会社、IT会社等と対等以上に渡り合え、且つそれを基にアウトプットできる強みを磨く。
■企て、設計するデザイン・クリエイティブの考え方を会員社クリエイターと共に学び、デザイン・クリエイティブを通じて、企業活動にそして社会に貢献できる人材を育成する。
■会員社メリットの充実を図り、2027年には正会員100社・賛助会員80社を目指す。
これらを実現するために、本年度は
〇 「クリエイターの発表の場」創設(クリエイターのモチベーション向上)
〇 「会員各社の強みの可視化と各社協働体制で仕事に向かえる仕組みづくり」
〇 「会員資格や会費制度の見直し(新たな会員社の発掘に向けて)
等を検討してまいります。
また、本年度実行していく各事業に関しても、デザイン思考に基づき本質を追求し、また会員各社の個々人にとって有益なものになるよう努めてまいります。
クリエイティブを活かし、育む (クリエイティブ・ボランティア事業) |
公益 | 収益 | 共益 |
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三陸沿岸支援カレンダー制作 | ○ | ||
「ココロはずむ一行タクシー 東京の街にくりだそう」 (東京ハイヤー・タクシー協会とのコラボレーション) |
○ | ||
想いを伝えるカードデザイン大賞 2023 | ○ | ||
学生広告クリエイティブアワード 2023 | ○ | ||
学生アイデアで社会をよりよくするコンテスト 2023 | ○ | ||
クリエイター展覧会企画の実施・運営 | ○ | ||
経営と人材の育成のために | |||
経営セミナー・勉強会の実施 | ○ | ||
若手クリエイターを中心としたデジタル系セミナーの開催 | ○ | ||
ヨコの繋がりの強化を図り、課題解決に向かう (一般公開の交流会形式) |
○ | ||
学生支援セミナーの開催 | ○ | ||
講師派遣・学生広告団体(東広連)支援 | ○ | ||
経営状況等各種アンケートの実施とその共有 | ○ | ||
広告関係団体との情報交換 | ○ | ||
広告のこれからについて座談会(OAC50周年に向けて) | ○ | ||
会員企業相互の発展のために | |||
CREATOR 誌の監修 | ○ | ||
E&O 保険 | ○ | ||
会員社の強みの可視化 | ○ |
本年も地域活性化と観光促進を目的に、三陸鉄道沿線市町村ならびに三陸鉄道の支援を継続いたします。昨年は、よりお客様に届きやすくするために、サイズを縮小。三陸鉄道での取り扱い数の1,200部はほぼお客様の手に渡ったようです。
本年は、宮沢賢治の詩や童話を題材に作品を公募します。鉄道ファンのみならず、宮沢賢治ファンや童話・絵本好きの方にも、三陸に目を向けるキッカケをつくってまいります。
昨年2022年はコロナ禍で疲弊した全ての方々が少しでも元気になるようにと、「ココロをつなぐ一行タクシー“人と街にエール!!”」と題して110コピー/110台のタクシーが夏の東京を走りました。本年は、予算の都合で規模を大幅に縮小するが、「一行タクシー」を継続し根付かせたいとの思いがタクシー協会にあり、実施が決定いたしました。テーマは「ココロはずむ一行タクシー 東京の街にくりだそう」。
10台~20台のタクシーになりそうですが、その少なさを希少価値のあるものとして捉えてもらうべく、仕組みを模索してまいります。
このカードデザイン大賞は、全国の学生の方、一般の方の応募が多いのが特徴です。学生の皆さんも、リモートでの授業から対面での授業に変わってきている模様。様々な経験や体験を通して感じたことを、どう表現してくれるのか楽しみです。
実際の商品を題材にして課題解決の能力を若い時代から体験してもらおうと、課題提供企業の協力の下に開催しており、昨年は応募総数1,359点と過去最高数を記録しました。
しかし課題に沿っていない作品も多く、届ける相手のこと、課題の本質を理解する段階を踏み、その上で表現に入ることの重要性を理解して取り組んで欲しいと願っています。よりコミュニケーション力を身に着けていく場として、本アワードの更なる充実を図ってまいります。
自ら課題を考え、自らその課題解決策を考える。そんなクリエイティブな行為を若いうちから実践してもらい、今後の人生に役立ててもらいたいのが願いです。昨年は過去最高の1,016アイデアが寄せられました。各学校が課題として活用しているようです。今後も、若い方々が常に問題意識を持ち、前進していけるようサポートしてまいります。
一般や学生支援の事業は多いが、クリエイターのモチベーション向上に繋がる事業も検討してほしい。そんな会員社の声を受け、また50周年に合わせて、クリエイターの展覧会企画を計画。
下記の展示目的が渋谷ヒカリエのコンセプトに合致すると考え、公募展企画を提出。採用に至りました。
【開催目的】
〇 クリエイターの発表の場の創設とその育成
全国の広告クリエイター(デザイナー・コピーライター・カメラマン等)及び広告を学ぶ学生の発表の場とし(公募制)、広告手法等を通じ社会に貢献することにより、クリエイティブの価値を高め、クリエイター個々のモチベーションの向上にも寄与する。
〇 地域・文化支援
クリエイティブ・ボランティア(クリボラ)事業の一環として、コロナ禍での「移動」が激減した中、日本のモノ・コト・ヒト・景観等々に今一度目を向けてもらうべく、その良さを広告手法等を用いて表現。
これを観た方々が、実際にその場所に足を運んでみたり、触れてみる、そんな次の一歩を踏み出すキッカケを創出する(観光等にて全国の地域や文化の活性化の一助を目指す)。
〇 多様性を認め合える社会の創出
ニッポンの何をみなおすのかはクリエイターそれぞれの視点。クリエイターA氏の選んだ「好き」は、あなたの選んだ「好き」とは違うかもしれませんが、それも『ニッポン』の多様性。『ニッポン』の良さを再認識し、様々な『多様性』を理解する、そんな内容を目指します。
【開催時期】
2024年5月17日~19日(金・土・日の3日間)で実施。
【開催場所】
渋谷ヒカリエ 8F 8/court
【開催コンセプト】
あなたの視点でニッポンの良さを見つけ、広告クリエイティブのチカラで表現し、伝え、再認識してもらう場
【タイトル案】
『みなおしたぜ、ニッポン』展(仮称)
なお、本事業は2024年度の実施となり、特定費用準備資金として積立てる資金にて執り行います。費用概算は2023年3月開催の理事会にて承認を得た300万を積立限度額といたします。
コロナ禍にてオンラインでの意見交換を中心にしてきましたが、本年度はリアルとオンラインを併用しながら、今後の経営のあり方や、デジタルトランスフォーメーション(DX)、ウエルビーイング、アフターコロナ後の企業戦略などを知る機会を設けます。
■4月18日(火) 16時~(会場:㈱スタヂオ・ユニ)
クリエイター社員の可能性を信じて新領域進出へ 【講師:㈱スタヂオ・ユニ 佐藤社長・小笠原氏】
■6月21日(水) 17時~(会場:株式会社Too)
ユーザー視点のサービスデザインとDX 【講師:デジタル庁外山雅暁氏】
■6月頃(予定:名古屋開催)(会場:株式会社Too 中部支店)
今さら聞けないけど本気でやりたいブランディング入門
【講師:株式会社たきコーポレーション 奥田真由氏】
■7月25日(火) 17時~(会場:株式会社Too)
ANAの中期経営戦略と広報の考え方 【講師:ANA広報部】
■9月26日(水) 17時~(会場:株式会社Too)
ウエルビーイング 幸せな働き方を科学的に知る【講師:日立製作所フェロー 矢野和男氏】
以上、現在決定または予定しているセミナーです。なお、タイトルは全て仮称です。
どのセミナーも、経営者はもとより次代を担う若い方々にも聞いてもらいたい内容としました。
また、これ以外にも今後の経営に役立ちそうなものがあれば随時計画いたします。
これまでも人気の高いIllustrator・Photoshopの最新情報・作業効率アップ、動画編集を中心に、メタバースやAI、デジタルマーケティングの実際、またコロナ禍を経て新たな働き方に対応し、業務効率化やコミュニケーションの活性化に繋がる方法など、会員社の皆さまにとって有益であろう、新機軸も打ち出したく検討してまいります。
昨年3年振りに開催したビジネス交流会は、「雑談ミーティング」と名称を変更し、会員社のみならず一般の制作会社にも門戸を開き、内容も会社経営や人材育成にまつわる内容をディスカッションする場に改めました。様々な内容で話しは尽きないほど盛り上がり、この手法を用い継続開催してまいります。
なお、経営者層の課題解決の場以外に、主体をクリエイターや学校関係者にするなど、職種・職能ごとの開催も検討していきたいと思います。
ここ数年はコロナ禍の中、オンラインにて「クリエイティブの仕事・職種」に関するセミナーを若手クリエイターを講師に開催。また、就活やポートフォリオに関しては、採用担当者を講師に開催してまいりました。
コロナ禍も一段落といったいま、オンラインでの開催が良いのか、また今まで通りの内容で良いのかなど、学校で行えること以外で何が出来るか、検討が必要と思っています。学校関係者の皆さんとクリエイターの皆さんの意見を参考に考えてまいります。
専門学校の学校関係者評価委員会・教育課程編成委員会への参加。ならびに講師派遣依頼への対応を行います。また、東京学生広告研究団体連盟(東広連)活動の支援(ワークショップやセミナーの開催)ならびに同団体の学生広告展の審査協力を行ってまいります。
昨年度はセーフティネット5号に関する売上状況等のアンケート、「アフターコロナを考える~コロナ禍を経ての現状確認と今後について~」を実施いたしました。本年度もその必要性に応じ、各種アンケートを実施することで課題に対する意識を醸成しつつ、その結果を共有していきたいと思います。
広告関係23団体との情報交換も全てオンラインが中心となっていました。今後変化していくとは思いますが、各団体とも様々な取組みを行っていますので、ここで取り上げられた有益な情報は共有出来るよう努めてまいります。
2024年OAC50周年に向け、「広告制作とクリエイティブのこれまでと、これから」と題し、「デザイナー・コピーライター編」・「カメラマン・スタイリスト編」・「デジタルクリエイター編」を行い順次OACサイトにて公開していくことを計画しています。
今後の広告制作業界とクリエイターの魅力や価値はどうあるべきか、残すべき点と変化していくべき点は何か、今後の広告制作のあり方を探る機会といたします。
毎年12月に宣伝会議社より発刊しているCREATOR誌の監修。自社ブランディングを捉え直す機会として、そして自社をアピールする機会として会員各社にとっては貴重な場となっていると思います。
また学生にとっては制作会社を知るために、そしてクライアントサイドはパートナー探しのための情報源として活用されています。今年度はCREATOR2024として発刊を予定し、内容のより一層の充実を図ります。
E&O とは、Errors「過失」Omissions「怠慢」の略語で、職務の遂行上の過失や怠慢によって顧客等の第三者に経済的な損害を与えた事に起因し、法律上の賠償責任を負う事によって生じた損害を補償するものです。OAC独自の本保険は、データ入力ミスや著作権に関して活用され、現在20社の会員社が加入。新たに加入を検討される方は事務局までお問い合わせください。
会員社各社が何に強みがあるか、どんなクリエイティブを発揮できるのか、それを可視化できる仕組みを検討していきたいと思います。
【目的】
1. ビジネス機会の逸失を減少させる(自社では出来なくとも、タッグを組むことで解決できることの認識を深める)
2. 広く一般にも公開する手段を用い、新たなビジネス獲得への一助とする
各社の詳細はHPで理解してもらうとして、その前段階にて得意分野(化粧品や医薬、不動産、金融等々の業種把握)や、(エディトリアル、WEB、アプリ開発などの職能分野の把握)等、可視化する方向を考え、会員社メリットの一つにしていきたい。また、例えば「OACクリエイター100人の仕事」などと銘打ち、展示する機会を設けるなど、会員社クリエイターのモチベーション向上に繋がる機会も検討していきたいと思います。
その他、皆さまよりご意見を頂戴しつつ、今まで以上に「OACに参加していて良かった、
個々のクリエイター自らが楽しみ、面白がれている」そんなOACにしていきたいと思います。
2023年度もご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
コロナ禍の3年間で世の中も様変わりしました。歴史上は、伝染病の流行、自然災害、飢饉、戦争等々、様々な出来事でその都度変化は起きていたはず。そこで、いま話題のChat GPTに 「100年以上続く企業の共通点は?」と質問してみました。以下、そのままの回答です。
100年以上続く企業には、以下のような共通点があります(Chat GPTの回答)。
1. 継続的な変化に適応する能力:長期的な存続に必要なのは、絶え間ない変化に対応する 柔軟性と適応力です。長期的に成功している企業は、常に市場や技術、顧客ニーズなどの変化に敏感であり、それに適応することができます。
2. 独自のビジネスモデル:長期的な成功を維持するためには、独自のビジネスモデルが必要です。成功した企業は、競合他社と差別化できる強みを持ち、その強みを長期的に維持できるようにしています。
3. 長期的な視野と戦略:100年以上の存続を目指す企業は、短期的な利益を追求するだけではなく、長期的な視野と戦略を持つことが重要です。成功した企業は、将来の成長や変化を見越して戦略を策定し、その戦略に基づいて投資や事業展開を行っています。
4. 強固な企業文化:長期的な成功には、強固な企業文化が必要です。成功した企業は、明確なビジョンや価値観を持ち、それを従業員や顧客に共有しています。また、企業文化を維持するために、継続的な教育や社員の育成に力を入れています。
5. 質の高い製品やサービスの提供:最後に、成功した企業は、常に質の高い製品やサービスを提供しています。顧客満足度を高め、顧客ロイヤルティを維持することで、長期的な成功を確保しています。
「それ以外にもありますか?」と投げかけると、継続的なイノベーション(改善)・チームワークの重視・社会的責任・組織の柔軟性・顧客中心主義・常に学び続ける姿勢・強力なブランドイメージ……どんどんでてきます。
ネット上の膨大なデータから瞬時に回答するAI。また小説やコピーも書けます。これも変化ですね。
使ってみて初めて、「なるほど、これは問題もあるな」と思えます。提示されるデータが全て正しいとは限らないし、著作権やクリエイティブの今後なども考えさせられます。今までもクリエイティブのヒントとして書籍やネットで資料を探し、それをそのまま使えば盗用。クライアントへ迷惑をかける結果になるのもAIとて同様でしょう。
AIも使いよう。顧客等のマーケティングデータなど、発想やアイデアのヒントにするのは良しとしても、みんな同じAI環境にいる以上、ますますアウトプットの表現は、オリジナリティが求められてくると思われます。
人は強いられてやることは嫌い。自ら自発的に行い、何かをつくりあげることだと苦労をいとわない。この辺りの環境を、そして人をどうつくっていくかが、今後大切になってきそうな気がします。
OACも皆さんとともに、考えていきます。